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【0】ちょっと。
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■ちょっと感動した実話。

 学生の頃です。
 猪俣さんが落としたコンタクトレンズ。
 見つけたのは玉ノ井くんでした。
 こんなことって、あるもんですねえ・・。

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【1】今回の発信
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「魔法の鏡と『あちょーっ。』」
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「ひげでも剃ろうかな。」

そう思い、鏡の前に立ちました。

よくよく見ると、ひげの中に、ぽつぽつと白い部分があるんです。

「ああ、そうだよなあ、もう40過ぎてるんだもんなあ・・。」

鏡は、一部分の僕を見せてくれます。
一部分だけど、はっきりと・・。
僕の場合、その一部分がやけに目につくんです。

そして、思うんですね。

「うーん、もう無理はできないなあ。」

今までの人生で無理なんかしたこともないくせに・・。
 

で、ふと思いました・・。

白雪姫に出てくる魔女もそうだよなあ・・。
 
 

彼女は聞きます。

「鏡よ鏡、鏡さん。世界で一番美しいのは誰?」

魔法の鏡が答えます。
「それは白雪姫です。」

鏡も少しは気を使えばいいのに・・・。

とにかく。
ここから、魔女の悲劇が始まります。
 
 

自分を知ること、見つめること・・。
これは大切なことなのでしょう。
しかし、それは時として、知りたくなかった自分を見てしまうこと
になってしまいませんか。
 

・・・。

僕ら大人は知らないうちにたくさんの「鏡」を子ども達に用意して
いるかもしれません。

順位付けテスト、通知票、そして毎日の授業での評価、受験・・・。
そういう「鏡」の前に子ども達はいます。
彼らは、いやおうなしに、自分というものの1面を見せつけられて
います。

しかも、それは、のぞきたくてのぞいた鏡ではありません。
確実に大人が用意した鏡ですもんね。

中には、呪文をかけられた鏡だってあります。

「ふふふ。
 よく見ろ、よく見ろ。
 よおく見ないと将来困ったことになるんだぞ。」って・・。
 

子どもによっては、その見せつけられた1面が強烈な負の印象と
なって残ることだってあるでしょう。
その1面をすべてだと思ってしまい、悲しいことに自殺を選んでし
まった子だっていました。

子育てや教育っていうものは「鏡を用意すること」ではない・・。

僕は多くの反省を持って、そう思います。
 

僕がしたいこと、しなけりゃいけないこと、それは・・。

学校や社会にたくさん存在する「鏡の見方」を伝えることだと思う
んです。

僕が、経験から学んできたその見方を伝えるべきだと思うんです。

世の中にはたくさん鏡があって、中にはひどい魔法の鏡があるって
ことを伝えたい。

もっと言えば、
「鏡を捨てちゃう事だって簡単なんだぞ。」とも伝えたい。

そして、なにより、僕自身の「親の目」を魔法の鏡にしたくない。
 

・・・・・。

「もうちょっと、がんばってみるかな・・。」

「あちょーっ!」
鏡の中の僕はブルースリーになりました。

ではでは、また来週。



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