●食卓で娘が言いました。
「お父ちゃん、負けず嫌いって言葉おかしいで。
『負けず嫌い』やなくて『負け嫌い』が正しいんじゃない?」
なんか、そんな気がしてきました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】今回の発信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「4学期(上)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4月と言えば、子ども達にとっては新学期。
センセにとっても新しいスタートです。
僕も現役の教員だった頃、進級してきた子ども達と対面し新しい気
持ちになったものです。
「君たちは、もう1年生ではないよ。
今日から2年生です。
気持ちを切り替えて、はりきって学校生活を送ろうね。」
そんな言葉で2年生の担任としての1年間を始めていました。
新しい教科書を子ども達に渡し、保護者に対する挨拶や自己紹介の
プリントを配る。
自分自身も少しの緊張感と喜びとともに初日を味わえたものでした。
「どんな先生なのかなあ。」
多くの子ども達は心配と期待を同居させた目で僕を見つめています。
けれども、僕の顔を見ることもできずにうつむいている女の子もい
ました。
名札からその子が「うめだ さき」ちゃんだとわかりました。
1年間の最初の日、僕は、「さようなら」を言った後、子ども一人
一人と握手をする事に決めていました。
その時に子ども達の名前を覚えるように努めていたんです。
「おお、君はゆうきくんか。おうちの人が勇気が出るようにつけて
くれたんだな。」
「よしこちゃんか。おうちの人は元気の良い子になるようにって願
いがあったのかな。
えっ違う?
そうか頭の良い子になってねっておとうさんが言ってたのか。
教えてくれてありがとう。」
そんな短い会話の中から打ち解けたつながりが少しずつできてきて
いた気もします。
さきちゃんの番が来ました。
「さきちゃん、こんにちは、よろしくね。」
さきちゃんは、何も言わずに目をそらしました。
握手をしている僕の手を握りもせずに、さきちゃんはこわばった表
情をしていました。
こんなことは、その頃の僕にとって初めての経験でした。
僕はその夜、さきちゃんの自宅に電話をかけました。
あまり元気そうでなかったさきちゃんの様子をお母さんに話しまし
た。
さきちゃんのお母さんは、学校の様子を聞いてみて、明日連絡帳に
書きます、と言いました。
僕には、その夜はとても長い夜になりました。
「さきちゃん、明日、学校にくるかなあ。
もしかすると休むんじゃないかなあ。」
気になって、考え込んでしまいます。
枕元の時計が2時や3時をしめしても、なかなか寝付けませんでし
た。
つぎの日、さきちゃんは、学校へ来ていました。
教卓の上に置かれた連絡帳の中に、さきちゃんのお母さんからのお
便りがありました。
「先生へ、1年間、よろしくお願いします。
昨日はお電話ありがとうございました。」
そういう書き出しで、はじめられていたそのお便りは、その後の僕
を少し変えてくれました。
(つづく)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】メールお待ちしています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■つながるメルマガをめざす「♪」。
***********************************************************
●もし、お時間がありましたら、今回の発信に対するご感想の
メールを返信してください。
***********************************************************
■返信の仕方■
●このメルマガに返信で届きます。
●ペンネームや、もしお持ちでしたらHPアドレスなどお書き
下さい。
●頂いたメールはHPやメルマガで紹介させていただきます。
もちろん、掲載は困ると言う場合は、その旨をお書き下さい。
掲載いたしません。
どうぞ、よろしくお願いします。