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【0】ちょっと。(はいつから一言のコーナーです。)
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●ここ数日、月がきれいに見えます。

●月と言えば、我が家で問題になったことがあります。

 いつも「うさぎのもよう」が見えるってことです。
 我が家の誰も「うさぎ」以外の月を見たことがない。

●これは、不思議です。
 なぜ「うさぎ」の裏側を見たことがないのだろう?。

 ひょっとして、月は自転してないのかな。

●そう思い、僕が参加しているメーリングリスト「D教育」で質問
 してみました。
 
 「月はいつも同じ模様のようです。
  これは、月が自転してない証拠でしょうか?
  誰か教えて下さい。」

●数日たって、お答えを頂きました。

 「月も地球のように自転しています。
  でも、公転と同じ周期で自転しているので、いつも
  同じ面が見えます。」

●公転と同じ周期で自転している。
 なんとも、月はのんびりしているのですね。

●でも、遠い未来ですが、地球も自転と公転が同じ周期になるそう
 です。

●そしたら、1日が1年です。
 すごく長い1日ですよねえ。
 「おはよう。」と言って、びっくり。
 ありゃ。
 「おやすみ」の時は雪が降っていたのに、もう夏じゃん。
 ぐわーっ。

●どこの国のどんな人にも「月」を楽しめる世の中を・・と思いま
 す。
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【1】今回の発信
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「4学期(下)」
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「先生へ、1年間、よろしくお願いします。
 昨日はお電話ありがとうございました。」

2年生になった初日に、こわばった表情をしていた さきちゃん。
お母さんから僕にお便りがきました。
さきちゃんの連絡帳に、はさまれた封筒。
前の日の夜は、ろくろく眠れないように気になっていた僕は、いの
一番にそのお便りを開きました。

「さきに、学校での様子を聞いてみました。
 大変とまどっているようなのです。
 実は、さきは保育園も幼稚園もそして1年生も女の先生だったの
 です。
 はじめて、男の先生に受け持たれて、怖いという印象を持ったよ
 うなのです。
 先生が『起立』とおっしゃった、その声にさえ、怖さを覚えたよ
 うです。」

僕はショックを受けました。
子ども達はみんな、少しの不安を持ちながらも、はりきって新しい
学年を迎えていると思っていました。

だから、僕もはりきって元気よく「起立!!」と言ったのです。
今日から2年生だ、何もかも新しくなるスタートだ、そういう意気
込みがあったのです。

しかし、その僕の態度がさきちゃんにとっては裏目に出ていたのです。

「さきは春休みの間ずっと2年生になってからのことを気にしてい
 ました。
 1年生の運動会練習の時、男の先生が平手打ちをするのを見て、
 男の先生を怖がるようになったのです。
 2年になって、もし男の先生だったらいやだと言っていたのです。
 さきには私からよく言って聞かせました。
 このように精神的に弱い子に育ててしまったことを後悔しています。
 今後は、もっと強さを身につけていけるようにしつけます。
 2年生最初の日から先生にご心配をおかけして本当に申し訳ござ
 いません。
 どうぞ、今後ともよろしくご指導下さい。」

僕は間違っていました。
僕が男であることは、変えることはできません。
そして、さきちゃんが男の先生を恐れていることも事実です。
この部分ではどうしようもないのです。

しかし、僕にはそれ以前に大きな誤解があった気がしました。
すべての子が、レベルの違いはあれ、新しい変化を喜んでいる、そ
んな思いこみがあったのです。

1年生から2年生という節目を希望を持って臨んでいる、そう思っ
ていたのです。

「もう今日から1年生ではないよ。」
そう言って、ことさら区切りを強調していたのです。

たしかに、それで順応できる子どもがほとんどです。
しかし、それでは負担の大きい子どもがいるのかもしれません。

僕の心には
「みんな、新しい環境で、はりきるべきだ。」という傲慢さがあっ
たのかもしれません。

1年生と2年生はけっして断層ではなく、ゆるやかな斜面としてつ
ながっていくものではないか、、。

だとすれば、そのことを子ども達にも伝えるべきではないか。
僕はそう考えました。

そういう目であらためて子ども達を見ました。
さきちゃんだけでなく、とまどっている子がたくさんいるように見
えました。

僕は言いました。

「みんなは昨日から2年生の1学期をスタートしたよね。
 だからはりきっている人もたくさんいるだろう。
 けれども、中には、ちょっといやだなあ、って思ってる人もいる
 だろう。
 そんな人は、そうだなあ、しばらくの間、1年生のつづきだと思っ
 たらどうかなあ。」

「先生!!じゃあ1年生の4学期ってこと?」
ゆうきくんが言いました。

「そりゃあ、いいや。昨日から1年生の4学期がはじまったんだ。」
僕が言うとクラスに笑いがおきました。

「少しずつ2年生になっていくのも、けっこういいものかもね。」
僕はそう言いました。

学校現場はいろんな節目があります。
その節目を意識するあまり、僕ら大人は急ぎます。
先生も保護者もついついあわててしまいます。
運動会でさきちゃんが見てしまった体罰もそんな大人の焦りが原因
かもしれません。

強い子はそれでもついてくるでしょう。
しかし、少し弱い子はその速度に合わせることができません。
せめて、義務教育の間くらい、本当にゆっくりゆっくりと歩ませて
あげたい、そう思ったのです。

今日のさきちゃんは顔を上げて僕の方を見ていました。
さきちゃんとお母さんにお礼を言いたい気持ちになりました。

スピードの速い列車の窓からは景色がよく見えません。
同じことが教育で言えるような気がします。
それは「ゆとり」ではないのです。
僕はその日から「ゆっくり」を少しずつ意識できるようになった気
がします。

(了)
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