●父親として、はじめての教育懇談会に参加した僕。
(もう、かなり前のことになりました。)
●ざっくばらんな話の中から、話題は「体罰」に絞られてきました。
●親たちの間から「愛情を持って叩くなら体罰もいい。」という
発言。
●先生は「体罰をして処罰された同僚のこと」を話しました。
●元センセの僕は複雑な気持ちでした。
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【1】今回の発信
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「体罰(中)」
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保護者に「叩いてもイイですよ。」と言われて、体罰を与えた仲間
の教師が処分された。
その経験をふまえて僕たちの目の前の先生は言いました。
「もし、僕が体罰を与えて処分されたら、誰が責任とってくれるん
ですか?
僕の仲間は加害者かも知れないが、ある意味で被害者ですよ。」
地区懇談会は急に重苦しい雰囲気に包まれました。
僕は元教員です。
だから、この先生の心情もよく理解できるつもりです。
自分の仲間が真剣に教育に取り組み、その延長上に体罰を与えてし
まった。
しかも、保護者からの体罰容認の声もあったと聞いている。
しかし、処分されてしまった。
同僚としては悲しい出来事だったに違い有りません。
僕は・・。
センセだった頃の僕は、・・・僕は叩いたことがあります。
・・・・。
新米センセとしてのスタート。
僕は小学校5年生の担任になりました。
そのクラスに体も大きく、やんちゃな男の子がいたんですね。
何を言っても、僕の言うことを聞いてくれません。
何度言っても、他の子ども達に暴力をふるうんです。
その時も、そうでした。
浩二君が言ってきました。
「センセ、敏君がなぐるんよ。」
僕は敏君のところに行きました。
「敏君。
どうして、浩二君を叩くのん?
敏君だって、叩かれたらいやだろう?」
敏君は首をふりました。
「うんにゃ。
いやじゃない。痛くねえもん。」
僕は、敏君を叩きました。
反射的だった気もします。
でも、本当は、違っていたかも知れません。
敏君は、最初、びっくりしたような顔をして・・・。
そして、泣きました。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」と
くり返しながら、泣きました。
僕は、口の中がにがくなったような気がしました。
その夜、思ったんです。
僕は、敏君が頑強そうだから叩いたんじゃないだろうか。
もし、女の子だったら叩いただろうか?
もし、ひ弱そうな子だったら叩いただろうか?
例えば障害を持つ子だったら叩いただろうか?
僕にはどの子にも同じように行うことができません。
こういう考え方自体が差別的かもしれないと今は感じています。
でも。
当時は、体罰そのものが許されない差別的な行為だと思えたのです。
なにより、あの口の中の苦さが、いやでした。
それ以来、僕は「体罰否定教員」になりました。
僕の友人には中学校の教員もいます。
その友人は体罰について
「中学は、小学校のようには いかんよ。」
と口癖のように言いました。
「小学生は、先生が口で怒っただけで怖がるだろ。
中学生は、そんなんじゃ通用しないんや。」
そんな考えも教員にあるのは事実です。
こんなふうに。
僕は頭の中でいろんなことを考えていました。
その時。
重苦しい雰囲気の中、司会役の先生がこう言いました。
「お父さんの立場から家庭や学校での体罰について一言ありません
か?」
先生は、僕の方を向いていました。
参加していた保護者の内、父親は僕一人だったのです。
教員としての体罰観なら決まっていました。
しかし、父親としての体罰観なんて考えてもなかったのです。
僕は考えながら話すことにしました。
(「下」に続きます。)
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