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【0】ちょっと。
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●「さつきばれ(五月晴れ)」

●「さみだれ(五月雨)」

●晴れても、降っても、なんか、いいんですね。5月。

●5月病・・・。これも、きっと、いいんですね。

●知ってましたか?

 もともと「五月雨」って旧暦5月のことで、つゆ雨のことだった
 んですって。
 でね。
 「五月晴れ」って、梅雨の晴れ間のことなんですって。
 だから、5月の晴れとは、ちょっと違うんですね。

●僕、知らなかったんです。
 
 ちなみに。
 九州地方、今日、晴れたんです。
 せっかく「五月晴れ」だと思ってたのに・・。
 なんか、損した感じです。

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【1】今回の発信
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●今日は「忘れ得ぬ一言」をテーマに発信します。
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◆   「魚と水泳」
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子供の頃に聞いた大人の一言で、今でも心に残る・印象に残ってる
ことがないですか?

そして、その一言が織りなした、忘れ得ぬドラマ・・。

僕にはあります。

それは、僕が小学4年生の夏のことでした。

担任の森先生が水泳の授業時間にこう言ったんです。

「いいか、君たち。
  君たちは必ず泳げるんだ。
 まず、そのことを知っていてほしい。」

口から先に生まれた子と母親から言われているヒデが言いました。

「センセ、なぜ、そんなことが言えるん?
  証明してよ。」

先生は自信満々に、こう教えてくれました。

「君たちは魚を食べるだろう。
 魚を食べる君たちが、泳げないはずがないじゃないか。」

今考えれば、めちゃめちゃな理屈ですが・・。

この一言、子ども心に妙に説得力を感じてしまいました。

「そう言えば、そうだよな。」って感じになっちゃったんです。

「そうだよ、そうだよ。
 魚を食べる僕たちは泳げるはずだ。」

「よおし、なんか、やる気でてきたぞお!」

口から先のヒデも大ハッスルです。

森センセは勢いに乗って言いました。

「そうだ、君たちは海の王者クジラだって食べるじゃないか!」

「おおっ」
 という感じで、僕らはノリノリに泳ぎました。

お調子者の先生も

「そうだ、君は魚だ!」と興奮気味でした。

そのかいあって・・・。

今まで、顔さえつけることができなかった孝太郎も、
「だるま浮き」
ができるようになったりして、大フィーバーでした。

実は、孝太郎は魚屋の息子だったのです。

「さすが、孝太郎、日本一の魚屋の息子だ!」

先生のこのセリフも忘れ得ぬ一言です。

エキサイティングな水泳の授業が終わって、僕らは給食の時間を迎
えました。

口から先のヒデが叫びました。

「センセ!
 じゃあ、僕らは空も飛べるんですか!」

先生は一瞬、戸惑った様子を見せましたが、一呼吸置いて、

「ヒデには参ったなあ。」とにこにこしました。

その日の献立には鳥肉が使われていたのです。

・・・・・。

それから、長い長い年月が過ぎました。

風の便りによると・・・。

森先生は、校長や教頭にならずに、先生のまま退職されたそうです。

口から先に生まれたヒデは、学校の先生になりました。

だるま浮きができた孝太郎は、家業をついで魚屋のご主人になりま
した。

そして僕は、その夏のことをこうして書き残しています。
 

僕は思います。

言葉が心に残るのではない。

心に残しておきたい人がいる。
心に残しておきたい時がある。

だから・・・。

だから、その言葉を残してるんだって。

そんなふうに思います。

ではでは。



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