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 ■■■ 「♪」 ■■■     【発行者 はいつ でこ】
http://haitsudeko.hp.infoseek.co.jp/deko/
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♪ 目次 ♪
【0】ちょっと。
【1】本日の発信(No.43「ピカピカの空気」)
【2】メールお待ちしています。
【3】僕がやってること
【4】友好誌です。見てくださいね。
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【0】ちょっと。
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■よくわかんないけど・・。
 
 「バチがあたる。」って信じてた。

 なにも悪いことをしてなくても、なんとなく怖かった。

 だから、ひどく悪いことなんて、とうていできなかった・・。

 両親や祖父母が教えてくれたことだった。
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【1】今日の発信:「ピカピカの空気」
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クリスマス。

ツリーを見ると、あの日のことを思い出します。

僕には2人の子どもがいます。

上が女の子で、下が男の子です。

あの日・・。
6才になった娘が、その日飾ったばかりのツリーの前に座りこんで
いました。
そして、じーっとライトを見つめていました。

何を思ったのか、赤く点滅するライトの、そうですね、3cmくら
い上をそおっと 両手で包んだのです。

そして、何か大事なものでも抱えているように、弟の所に、これま
た、そおっと近づいていったのです。

両手が、弟の顔の前に差し出されました。

「よく見とくんよ。・・・・ばあっ。」

娘は、ぱっと手を開きました。

「・・・・・・。」

弟はきょとんとしています。

娘も首をかしげています。

もう一度、娘はツリーの前に行き、同じ行為を繰り返しました。

「ばあっ。」

今度も弟はきょとんとしました。

娘は、がっかりした様子で僕の所に来ました。

「おとうちゃん、おかしいよ。」

「何がおかしいん?
 ちび(娘)は何をしたかったん?」

「うち、ピカピカを運びたかったんや。」

「えっ?」

「ライトがピカピカしてきれいやろ。
 それで、そのピカピカの空気をふうくん(弟)に運びたかったん
 や。」

「ピカピカの空気を運ぶ?
 手で?」

「うん、熱い空気も、冷たい空気もうちわの風で運べるやん。
 くさいにおいの空気も風で運べるやん。
 ピカピカの空気も運べるやろ?
 ピカピカの空気は、なんか、こわれそうやから、そっと手で包ん
 だんよ。
 そして、ふうくんの所まで持っていったんやけど、手を開いたら
 なくなって るんよ。
 なんで、ピカピカの空気は運べんのん?
 これ、おかしいわあ。」

僕は絶句しました。

なぜ、光る空気は運べないのか・・。
僕にはその質問に答える知識も能力もありません。

でも。
だから言葉をなくしたのではありません。

光を手で運びたいと思った子。
そして、運べると本気で信じていた子。

この発見がうれしかったのです。

子ども達は、いつも、いろんな試行錯誤の中にいます。

すべての子ども達がその中にいるのだと思います。

そして、その行為を自然に楽しんでいるように見えます。

それは、僕たち大人が忘れてしまったものに感じられます。


のんびりとした時間に、なにげなく目をやった子どもの行為。
それは、偶然と言うには、あまりにもありがたい体験となりました。

「ピカピカの空気」は「子育てのお得」を教えてくれたようでした。


(了)
 



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