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【1】今回の発信「T君の右手」
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12月だと言うのに、ここ、九州、大分県、けっこう暖かいです。
先月出したコタツに電気を入れない日もあるんですよ。
こんな師走は、ちょっと記憶にないです。
ところで。
先日、読み聞かせボランティアグループの交流会がありましてね。
参加したんです。
講師は浜田桂子さんという絵本作家さん。
「あやちゃんの生まれた日」って本でデビューされた作家さんです。
1999年の作品ですから、ぴったり子育て中だった人は、ご存知かもしれないですね。
すごく、ぬくもりのある絵を描かれる方でしてね。
僕、大好きだったんです。
浜田さんの2008年の作品に「てとてとてと て」という絵本があります。
手に関するお話しでしてね、小学校の感想文の課題図書になっています。
手って不思議だなあって思われた事がきっかけで、出来上がった作品だそうです。
たとえば、拍手って万国共通なんだそうです。
素晴らしいものに、手をたたく。
握手すれば、仲直り。
手をつなげば、和ができる。
たしかに手は道具としてだけではなく、何か心に関係しているように思えます。
浜田さんはこう話してくれました。
「手は、心が出たり入ったりする場所じゃないかしら。」
僕は、はっとしました。
少年院で出会った、T君のことを思い出したからです。
T君は、まだ中学生。
面接を終えた後、僕は、どの子に対しても握手か腕相撲を求めるんです。
その時は握手でした。
少し照れくさそうにしたT君。
それでも、握手に応じてくれました。
でもね。
右手を出しかけて、あわてて、左手に替えたんです。
僕は右手を出していたのに、ですよ。
僕は、反射的に引っ込みかけたT君の右手に目がいきました。
そこに、刺青(いれずみ)があったんです。
・・・。
「手は、心が出たり入ったりする場所じゃないかしら。」
この言葉、僕の中に、しみこんできた気がします。
(了)
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【2】お楽しみコーナー 今回のなぞかけ。
お題は「歴史」。
■「歴史」とかけて
■「あっしが切ったネギ」ととく
■その心は・・
■「刻みながら、ずっと、つながっています。」
○おあとがよろしいようで・・・。
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○いっしょに、なぞかけや川柳、楽しみませんか?
詳しくは下記ブログで。
(↓英之介のペンネームで書いてます。)
http://oitablog.jp/keima/