うすうす気づいていたんです。
その子がどういう状態なのか、なぜ時々しか来ないのか。
他のクラスの子は 気持ち悪いといって話し掛けたりしなかったし、
先生も居ないみたいに無視していたみたいでした。
私が住んでいた市には 特殊学級は1校しかなくて、その子は私と
同じ学区に住んでいて、週に1日だけ 学区の小学校に来る・・そ
れが その子から聞き出したことでした。
いつも人を睨んで口をへの字に曲げて何も答えないその子が、少し
ずつ私と話をするようになったころ クラス替えがあったりして、
私の興味も薄れ、会わなくなりました。
今 2人の娘が居ますが、高1の子は 知的障害があり 養護学校
に行っています。
私が小学校のころ障害を持っている人たちは どんなに心を傷つけ
られて悔しい思いをしていたんだろうと思うのです。
あの子の 眼を思い出すと苦しく悲しくなります。
今の知的障害の子供達は学区の小学校に通うことができて、自分に
あった教育を受ける権利も保障されています。
でも 先生は理解のある人間ばかりではありませんでした。
障害に対してばかりではなく、差別という事をきちんと考えてはっ
きり意見を持っている先生に巡りあいたいものです。
そして あの子は幸せに暮らしていて欲しい 優しい眼をして笑っ
ていて欲しいと願います。