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   ■■■■■■  「ごはんのおかず」 ■■■■■■
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           Daily教育コラム第3部
      【発行責任者 はいつ でこ】
 http://village.infoweb.ne.jp/~fwkh8072/deko/gohan/
    バックナンバーも上記にあります。
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▲目次
【1】本日の発信(No.12) -2003/03/22-(通算295号)
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【1】「現状肯定派のかみさんの言葉」    
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僕んちのかみさんは現状肯定派です。

鳥や花を見ながら散歩するのが好きなんですが、例えば、その日が
とても寒くて、僕なら絶対に外出ゴメンだなって日だったら、かみ
さんはこう言うんです。

「こんな寒い日は空気が澄んでいて、とても景色がきれいで絶好の
 散歩日より。」

暖かければ、
「こんな暖かい日に出かけないのはお天とうさまに申し訳ないわ。」
と言って出かけます。

花粉症で目が真っ赤になる季節は、目をこすりながら、
「ああ、人間で良かった・・・。」と言います。

「なぜ?」と聞くと・・・。

「だって、とんぼだったら、大変よ。
 あんなにたくさんの目がかゆくなったら、大騒動よ。」

・・・・なんだそうです。

くしゃみをすれば、
「ああ、象でなくてよかった。」と言います。

その現状肯定派のかみさんが、新聞を見ながら、しみじみと言った
んです。

「あああ・・・。
 今日は日本人だってことが、つくづくいやになったわ。
 ホントに今日だけは、そう思ったわ。」

僕は、共感しました。

2003年3月20日。
アメリカはイラクを爆撃しました。
超大国の先制攻撃です。
アメリカの同盟国である日本の小泉首相は、アメリカの軍事行動を
支持すると表明しました。

国際政治というパワーバランスの複雑で微妙な利害関係を、ある1
面からだけ捉えるのは軽率かも知れません。

いえ、そんなことよりも・・・。
戦争が広がり、多くの死傷者が出るであろう、その間・・。
その間、僕はさしたる日常の変化もなく気楽な毎日を送るのだろう
と思います。
仕事の合間にへたなギターを弾き、3度3度、家族と暖かい食事を
食べ、時々パソコンにむかう日々。

イラクの人々が、アメリカの側につく兵士たちが、犠牲になり死ん
でいくその間・・。
戦争反対を唱える多くの人々が、様々な献身的な、あるいは決意と
覚悟に満ちた行動を行う、その間、僕は日常から一歩も踏み出せな
い生活を送るのです。

そんな、僕に何を言う資格があるのかと自問しもします。
けれども、僕は覚えていたかったし、子どもに伝えたかったのです。

現状肯定派のかみさんが
「今日は、日本人であることがいやになった。」と言い、僕がそれ
に大いに共感した日があったということを・・。
そして、それが2003年3月20日であったということを・・。
 

  2003年3月22日



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