「コガネ虫の願い事」を読んでいただき、ありがとうございまし
た。
お話の中身も展開もとてもストレート。
これといった起伏もなく、たんたんと進み、たんたんと終わるおは
なしです。
でも、このお話にはこんなエピソードがあります。
僕んちの子は、このお話が好きでした。
どちらかというと押しが弱く、引いてしまうタイプの子でしたから、
なんとなくコガネ虫に自分を投影できたのかもしれません。
で、ですね。
これは奇妙なことかもしれませんが、僕は嫌いだったのです。
嫌いっていうのは言いすぎだなあ・・。
そう、違和感があったんです。
「コガネ虫の願い事」に、なんともしっくりこない感じを持ってい
たんですね。
自分で創っていながら、なぜなのか。
そこが、いまひとつわかりませんでした。
そんな違和感を持ちながらも、子どもに話したら、気に入ってくれ
た・・・。
あれっ?
これ、けっこう、いいのか・・。
そのまま、ずるずると何年か、たちました。
よくあることだと思いますが、違和感があったことだって忘れちゃっ
てました。
ある時、子どもが言ったんです。
突然ですよ、突然。
もちろん僕にとっては・・の突然ですが。
「お父ちゃん。
コガネ虫君の話、だめだよ。」
えっ。
「だめだよ。
あれじゃあ、カブトやクワガタが可哀想だよ。」
・・・。
「カブトやクワガタだって、
好きでツノを持ってるわけじゃないよ。」
・・・。
「だから、あのお話は、ちょっと違うよ。」
・・・。
「ごめんね。でも、やっぱり、ちょっと・・。」
ごめんどころか、嬉しいよ。
お父ちゃん、嬉しいよ。
そうだよな。ちょっとだよな。
お父ちゃんも、どこかしっくりこなかったんだよ。
でも、今日、わかったぞ。
ちびのお陰だな。
そんなやりとりがあったんです。
この時だと思います。
僕は「お話を創る」ということに、大きな充実感を覚えました。
そんな、きっかけとなった「コガネ虫の願い事」。
僕にとっては、違和感だらけのおはなしです。
このおはなしを発信するのに、抵抗があったのもたしかです。
でも、みなさんにも、このエピソードを含めて読んで頂きたかった
んです。
お許し下さいね。
結局、「コガネ虫の願い事」は2部作になりました。
そんなおおげさな物ではないですが、まあ、2部作です。
いずれ、またお読みいただければ幸せです。
ありがとうございました。
次回は、お話「アリとキリギリスの歌」を発信する予定です。
よろしければ、おつき合い下さい。
ではでは。
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【2】ご感想、ありがとうございました。
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■メール頂きました。ありがとうございました。
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(1)「コガネ虫の願い事」について
くいなさんから
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今回のお話も、楽しく読ませていただきました。
最後の願い事「今までのお願い全部忘れて下さい。」が、なんだか
一生懸命だけど人間くさくて好きでした。
子どもは、このお話を聞いて、どんな感想をもつか楽しみです。
うちの子は、「僕もカブトムシみたいに強くなりたい。」て、
言うような気もしています。
さっそく読んであげたいと思います。
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