僕の知人に味噌作りの名人がいます。
天然酵母でパンを作っている主婦がいます。
木工が趣味で家具作りを楽しんでいる人がいます。
野鳥の会の会員で鳥に詳しいおじさんがいます。
先日、わらじ作りが得意なおじさんを知りました。
いろんな所にいろんな特技を持つ人がいます。
そんな人達が先生として子どもに接してくれたら素敵だなぁ、って思っていました。
そんな、ほのぼのとした教育の姿を、制度として具体化しようと試みている学校があります。
秋田県横手市の横手南中学校です。
その名も”人材バンク「南中まるごと応援団」”です。
地域の中から「先生」を探しだし、人材バンクに登録し、授業などで活躍してもらおうというものです。
この学校は五年ほど前から「街の先生と語る会」という名でその下準備をしてきたそうです。
学校は行政の末端機関です。
法制上はおおむね市役所や県庁、図書館などと同じです。
例えば「1日図書館長さん」などは可能でしょうが、それを制度化するのは難しいです。
特に学校の教員は「教員免許」との絡みがありますから、学校外の人の授業指導は大変です。
その困難に挑戦する横手南中学の校長さんはすごい、と思うのです。
僕はたくさんの校長さんに接してきました。
どの校長さんも情熱家でしたが、新しい取り組みには躊躇してしまいがちでした。
もちろん校長さんだけではありません。僕たち教員も足踏みが多かったのです。
その現実を知っているだけに、横手南の校長さんと職員の方々に拍手を送りたいのです。
そして、それだけの偉業を「南中まるごと応援団」という親しみやすい名前にしてしまうセンス。
このチャレンジ精神と命名の感性は、きっと地域を刺激します。
そして、その刺激はきっと子どもを動かします。
このプロジェクトの結果としての成否は問題ではないと思うのです。
この取り組みの姿勢がすでに大きな教育の成果だと思うのです。
横手南中の卒業生がいつの日か「まるごと応援団」の街の先生として教室に戻ってくる日が楽しみです。