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「めんちゃんの鶏と卵 (1)」
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「鶏が先か、卵が先か」・・。

結論のでない堂々巡りの問題としてあまりにも有名ですよね。

けれども、実は僕は答えを知っています。

というか、僕の中で、この論争は決着がついているのです。
 

もちろん、僕が考えた答えではありません。

そして、科学者や生物学者、哲学者が考えた答えでもありません。

めんちゃんがズバリ教えてくれたのです。

当時めんちゃんは小学校の1年生の女の子。
少々、甘えっ子でした。
家では、はしゃぐのが大好きだけれど、学校ではちょっとおとなし
め。
そんな子どもでした。

休み時間は外で遊ぶのが半分、後の半分は教室で本を読んだり、折
り紙をしたりしてました。

本を読むのがとても好きで、図書の時間などは1時間中集中して読
むような子でした。

けれども、算数は苦手。
眉間にしわをよせて、指とにらめっこして「ひきざん」に取り組む
姿が印象的、そんな女の子だったのです。

ある時、車の本を見ながら、僕にこう聞いてきたんです。

「車の部品は機械でつくるやろ。」

「うん、そうやね。」と僕。

「じゃあ、その機械の部品はどうやってつくるん?」

「うん、やっぱり機械でつくるんやろうね。」

「そのまた機械の部品は、またまた機械でつくるんやろ。」

「うん、そうやろうね。」

「じゃあ、きりがないやん。1番最初はどうなってるんやろうなあ。」

僕は閉口しました。

また、ある時は時計の学習の後に、こう聞いてきました。

「12時は1日のはじまりやろ。」

「うん、そうやね。」

「でも、昨日の終わりも12時やろ。」

「うん、、。」

「じゃあ、12時は始まりなんか終わりなんか、はっきりせんなあ。」

またまた僕は閉口しました。

そこで、僕は、めんちゃんに聞いてみたのです。

「めんちゃん、鶏と卵、どっちが最初にこの世の中に出てきたと思
 う?」

「えっ?どういうこと?」

「もし、卵が先だとすると、その卵は何から産まれたのかってこと
 になるやろ。
 もし、鶏が先だとすると、その鶏はもともと卵の中にいたはずや
 ろ。
 だから、神様はどっちを先に作ったか誰もわかんない。
 むずかしい問題やろ。」

「なあんだ、そういう意味か、、。」

めんちゃんは少しだけ考えました。
そして言ったのです。

「わかった!!簡単や!!神様が最初に作ったのは、、。」

その2に続きます。)



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