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【1】A子ちゃんの決断(1) 
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今日ご紹介するのは小学校2年生のA子ちゃんです。

A子ちゃんは2年生になって「自分はいじめを受けている」と感じる
ようになります。

お母さんは担任の先生に相談しました。

先生はさっそく家庭訪問をし、A子ちゃんと話をしました。

A子ちゃんはB子ちゃんの話をします。
B子ちゃんは隣の席の子で「けりを入れてやる」と言っては殴ったり
蹴ったりするのだそうです。

先生はこう言いました。
「B子ちゃんには、少しずつ話をしていくからね。」

そして、お母さんにはこのように話したそうです。

「実は、B子ちゃんの家庭には少し問題があるのです。
 詳しいことは言えませんが・・。
 それで、B子ちゃんへの指導は簡単にはいきません。
 殴る蹴るは必ずやめさせますが、無視をしたりとか意地悪をいっ
 たりなどの精神的な暴力は続くかも知れませんが気長に見てくだ
 さい。」

この先生は正直に話してくれたのだと思います。
けれども、こう言われてもA子ちゃんは安心とはほど遠い状態になっ
たようです。
また、A子ちゃんだけでなく、お母さんも学校生活での不安を覚え
るようになります。

とにかく、その後も学校に通い続けたA子ちゃん。

先生が席替えをしてくれたお陰もあってB子ちゃんからの暴力はなく
なりました。
けれども・・。
非常に残念なことに、先生の「予言」はある意味で当たってしまい
ます。
B子ちゃんは、新しく隣の席になったC子ちゃんに意地悪を始めたの
です。

それを見続けていたA子ちゃんは悩みます。

「C子ちゃんは自分の身代わりに意地悪されている。」

そして、それをとめることができない自分と、先生に対して漠然と
した淡い嫌悪感を抱くようになっていったのです。

(つづく)



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