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 ■■■■■ はいつの「楽しもう歴史教科書」■■■■■
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 No.11          【発行者 はいつ でこ】
      http://village.infoweb.ne.jp/~fwkh8072/deko/
  やってきました。金曜の夜の歴史エンターテイメント。
目次
【1】今回の発信
【2】メールいただきました。
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【1】第3章「女王の国」 その(5)「倭国=カンガルーか?」
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「なるほど・・・。たった数千人の集団で『国』だと満足していた
  弥生時代の人たちは日本全体をひとつの集団とは認識できなかっ
  たはずってことね。だから、『倭国』って名前は中国人がつけた・・。
  中国人からすれば、自分の国の名前さえ自分で決めていない
  『ひとまかせ』な国に見えたってことか・・。
  それで、『人』に『委せる』、つまり『倭』・・。
  うん、まあまあ納得ね。
 で、もう一つの説・・・。『倭国=カンガルー』って何のこと?」
以上、かみさんの感想である。

カンガルー・・。
もちろん、あのオーストラリアにいる「カンガルー」です。
カンガルーって名前は、どうやって付けられたか知ってますか?
あれ、勘違いで名前が付いちゃったって説が有力なんです。
詳しく言うと・・・。

カンガルーを初めて見たある人が現地の人にこう聞いた。
「あの動物なんてえの?」
すると現地の人がこう答えた。
「カンガルー」。
「なるほどね。カンガルーっていう動物ね。メモ、メモ。」
で、丸くおさまってるようだけど、そうじゃないんですね。

なんと現地の言葉で「カンガルー」ってのは「僕、知りません。」っ
てことだったんです。
つまり、現地の人は、質問に「知りません」って答えただけのこと。
なのに、勘違いが「カンガルー」って名前を生んじゃった。

このすばらしき勘違いをやっちゃったある人・・・。
実はジェームズ・クックってイギリス人。
キャプテン・クックって愛称で有名な探検家・調査官なんだ。
ちなみにクックさんが世界一周に使った船はエンデバー号。
エンデバー号といえば、日本人宇宙飛行士の毛利衛さんや若田光一
さんが二十世紀に乗ったスペースシャトルの名前にも使われている
ほど・・・。
それほどの有名人なのだ。
勘違いのクックさん、やるねえ・・・。

この話が、なんと十八世紀のこと、近代産業革命のまっただなか。
一世紀前後の「倭」の話とくらべれば、ついこのあいだのことだ。
それでも、こんなふうに外国人同士のコミュニケーションはどうし
ても勘違いを生む。
そして、それが正式な言葉として広まっちゃうんだ。

ならば、ならば・・・。
「倭」だって、そんな勘違いが生んだ言葉かもしれない・・・。
キャプテンクックをさかのぼることはるか昔、そう弥生時代、日本
のことを調べていた中国の調査官は、何らかの形で現地人、つまり
当時の日本人が使った「倭国(ワコク)」という言葉を日本全体を
表す国の名前だと思っちゃったんじゃないか。
これは、充分に考えられることだと思う。
少なくともそういう可能性を探ることは歴史の楽しみ方の一つだと
僕は思う。

では・・・。
そういう誤解を与えるような言葉があるだろうか・・?
弥生時代に「倭」というカンガルーを生み出すその言葉は次のよう
な3つの条件をクリアーしなくちゃいけない。

1,「ワ」と発音する日本古来からの言葉であること。
2,「国」と関連づけられる言葉であること。
3,数千人単位で「国」だと思っていた為政者が、認識さえもでき
    なかったと思われる日本という大きな範囲について語る場面で
    使われた言葉であること。

「ワ・ワ・ワ・ワ・・・・ワ・ワ・ワ・ワ・・」
いや、別にクールファイブではないが・・・。
(作者注:「クールファイブ」とは、あのウタダヒカルさんのお母
  さんである藤圭子さんの元の旦那さんの前川きよしさんをボーカ
  ルとして結成されていた演歌グループ。
  バックコーラスのみなさんが「ワワワワ、ワワワワ」と繰り返し
  歌い、一九七〇年代に物まねする子ども達が続出するほどすさま
 じい人気だった。)

僕は考え続けた。
そして、とうとうたどり着いた。
「倭(ワ)」を「カンガルー」たらしめたその言葉は・・・・。

(次号に続きます。)
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【2】メール頂きました。
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■メール、頂きました。うれしいなあ。

「宮城のしげさん」さんからです。
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No.9で、「ヒミコ」のヒは火だとありましたが、その中で結婚式
のキャンドルサービスは、ろうそくメーカー「●●(注)」が売り
上げを伸ばすために営業戦略として全国の結婚式場に広めたことで
あって、神秘性とは無関係では?

これからも楽しく読ませて頂きます。
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「宮城のしげさん」さん、ありがとうございました。
へえー!そうなんですか!
キャンドルサービスの歴史が明らかになってきましたっ!
(注)頂いたメールには、企業名も書かれていました。

■川瀬さんから「卑弥呼と火」、田中さんから「日本と倭という名称」
ということで、ご意見を頂いています。
どうぞ、下記HPご覧下さい。
■「楽しもう歴史教科書」番外編 「私はこう読む」録
  みなさんの歴史の読み方をご紹介しています。
 http://village.infoweb.ne.jp/~fwkh8072/deko/his/iken/



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