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■■■■■ はいつの「楽しもう歴史教科書」■■■■■
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No.66 【発行者 はいつ でこ】
やってきました。金曜の夜の歴史エンターテイメント。
「たの歴!!」。発行は隔週金曜日です。
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目次
【0】お知らせ
【1】今回の発信
【2】姉妹誌メルマガ「今日のいきぬき」ご紹介
おもしろいですよお。
【3】メールお待ちしています。
【4】友好誌です。見てね。
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【0】お知らせ
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「煩悩(ぼんのう)」に挑戦するメルマガです。
除夜の鐘とともに、お楽しみ下さい。
始まり始まりい。
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【1】今回の発信
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下記の【登場人物一覧】と【資料】を今回の発信の参考にして下さ
い。
【登場人物一覧】
●ヒャーヤッコ・ホークス:
冷ややっこ好きのダイエーファン。
町内会副会長。
探偵事務所を開き、数々の事件を迷宮入りさせてきた。
●ハトソン
ホークス事務所の助手。
中年のおばさん。
子どもの頃、伝書鳩に逃げられた経験があり、以来ハトソンと
名乗る。漢字で書けば「鳩損」ね。
それ以外はすべて不明。
●理容「ほしの」のおやじ
町内会会長。
ホークスが好んで通う散髪屋。
話好き。歴史好き。推理好き。
●「ほしの」で気を失っていた男
いったい誰なんだ?
●かみさん
僕のかみさん。
●はいつ
僕。
*登場人物について、詳しく知りたい方は、バックナンバー27
「タランチュラの事件簿」をご覧下さい。↓
http://haitsudeko.hp.infoseek.co.jp/deko/his/27.htm
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第15章 藤原氏の平安京 「じじコン・プロジェクト(3)」
-ホークス事務所、事件録-。
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どのくらい時間がたったのだろう。
気がついたら、かび臭いホークス事務所にいた。
「おほほ。はいつさん、お目覚めですか。
ぐっもーにん。」
かん高い声がした。
「あ・・。ホークスさん・・。
ホークスさんが助けてくれたんですね。」
「いかにも、たこにも、くらげにも。
ロッテの監督はボビーですが、人助けは私のホビーですからな。
おほほほ。」
彼の鼻の穴がふくらんだ。
今の冗談に自信があるという意志表示だ。
「さて、はいつさん。
あなたがひどい目にあった理容『ほしの』・・。
思い出したくもないでしょうが、何か変わった様子はありません
でしたかな?」
「変わった様子・・?
って言うか、もう、めちゃめちゃでした。
ある人からのアドバイスらしく、おやじさんはちょんまげになっ
てたし・・。
海産物仕上げのクリスマスツリーは腐ってるし・・。
それもこれも『原点回帰』だなんて言って・・。」
「じゃすともーめん、ひやそーめん。
それです。それっ。
原点回帰。
これこそ、藤原氏のキーワードなのです。」
「えっ?
そ・そう言えば、『床屋の原点は藤原氏だった。』なんてことを
おやじさんが言ってたなあ・・。」
「イエス、イエス。
ただしバーバーだけではありません。
現代日本の政治そのものの原点がすべて藤原氏にあるのです。」
「どういうことですか?」
「ご説明しましょう。はいつさん・・。
最近の政治問題を思いつくままにあげてみますよ・・。」
ホークスの鼻の穴は満開だ。
「まず、ですな・・・。」
ごくり・・。
僕はつばを飲み込んだ。
期待感が伝わったのか、満足そうにうなづきながらホークスが続
けた。
「おほほほほ。
このホークスの歴史論。
鼻の穴も耳の穴も、かっぽじってお聞き下さいよ。
まず・・。
・・・。
むふふふ。」
くーっ。
ホークス、もったいぶってる。
渋いなあ。
実に渋い。
さすが、『最後まで読んだ探偵小説で犯人をはずしたことがない。』
と豪語する探偵だ。
「こほん。
えーと・・。
まず・・・。うーん・・。
あれっ・・?」
げげっ。
・・・。
違う・・。
もったいぶってるんじゃない。
鼻の穴が縮んでるもん。
あっ。そうだ。
何を言うのか、忘れちゃったんだ。
信じがたいけど・・。
あれほど威張っておきながら、一つ目からさっそく忘れてしまって
るんだ。
ひえー。
どうしよう。こちらまで気まずくなってしまうよお。
・・そうだ、話を変えよう。
えっと・・。
「『ほしの』のおやじさん、不況で困ってるってぼやいてましたけ
ど・・。
探偵事務所には不況なんてあるんですか?」
「それだっ!」
ホークスの目が光った。
「ひえっ!」
はいつ、心臓が止まりそうになった。
「むふふふふ。
はいつさん。
現代のこの不況。あなたは何が原点だと思いますか?」
「えっ。
いきなりだなあ・・。
不況ですか・・。
やっぱりバブルが原因だと・・。」
「浅いっ!
実に、浅いながまさっ。
これ、浅井長政にかけてるのね。
むふふふ。
不況の原因は、お金が土地に負けちゃう『土地神話』に
あるのです。」
「はあ・・。それは、なんとなくわかります。」
「おおっ。
やっと登りましたな、バカの壁。
逆さに読んでも、ばかのかべ。
違うか・・。
まあ、いいや。
とにかく、その『土地神話』を産んだのは、まぎれもない。
藤原一族なのです。」
鼻の穴、5分咲きっ。
「げげっ。バブルの原点が藤原氏・・。
それって、考え過ぎじゃないですか?」
「ノンノン。
ちっとも、考えすぎたげんぱくでは、ありません。
むふふふ。
これ、杉田玄白ね。
ここで、クイーズ。
杉田玄白が隠してる栄養素ってなあんだ?
はいっ。
どうぞ、ホークスさん。
たんぱくです。
ピンポーン。せいかーい。
むふふふ。
なんだか今日はさえてます。」
ぞぞぞ。
何をやってるんだ、この男。
「ちょっと難しすぎましたかな、このジョーク。
くくくくく。
話を戻しましょう。
そもそも、日本史上初の土地バブルを起こしたのは藤原氏なので
すぞ。」
「えっ?平安時代に土地バブル?」
「そうです。『荘園』という名の土地バブルです。」
「『荘園』・・。
あの教科書にも出てくる荘園ですか?」
「そうです。
そのとおりっ。
『荘園』というのは、バブルもバブル。
ごまかしの土地なのですぞ。」
「ごまかし?」
「そう。
荘園は、藤原氏の所有する田畑に他なりません。
田畑なら、国に税を納めなければなりません。
そこで、藤原、考えた。
ここは、田畑ではおじゃりましぇん。とね。」
へーっ。
「ここは、うちのガーデン。
つまり、家庭菜園だと。
田畑でなければ、税を納める必要など ないでおじゃる。
藤原氏は、そう主張したのですぞ。」
「家庭菜園?」
「そう。
だから、耕してるのは農業じゃないんです。
ガーデニングなんです。
そしてね。
ほら、家のことを、○○荘とか言うでしょ。
たとえば、別荘とか・・。
で、家庭菜園は、荘の菜園で『荘園』です。
むふふふふふ。」
鼻の穴、全開だっ!
「これで家庭菜園は最強の土地になりました。
なにせ、どれだけ生産しようとも無税なんだもん。
しかも、この頃はお金が流通してないんです。
ほら、覚えてます?
奈良時代の聖武天皇。」
「はい。奈良の大仏を造った天皇ですよね。」
「そうです。
あの人が、お金を造るための銅も、ぜーんぶ大仏に使っちゃえっ
て命令したでしょ。」
「あっ。そうだった・・。」
「ね。
それ以来、次第にお金が世の中から姿を消していきました。
流通しないお金。そして、ごまかしの土地『荘園』。
これじゃあ、お金は土地にかないっこありません。
史上初の土地バブルが産まれたのです。
その原点は藤原氏のガーデニングにあるのです。」
すげっ。
なんか納得してしまう僕であった。
「こうなると、権力ほしさに名目だけの荘園さえも出てきます。
ここも荘園、そこも荘園。
日本中、荘園だらけ。
あーめん、そーめん、ここしょーえん。
むふふふふ。
まったく調子いいなあ・・。
税が入ってこないんだから、もう国家財政はボロボロ。
まあ、スタートが、
『藤原氏の土地は、耕してるけど田畑じゃないでおじゃる。
藤原氏が耕したところは荘園なのでおじゃる。』
っていうごまかしですからな。」
「なるほど。国家財政の破綻(はたん)ですね。」
「だめっ。その言葉、だめっ!」
いきなり、後ろからハトソンさんのカナ切り声がした。
同時に、ホークスがしゃがみこんだ。
おや・・。
うわごとを言っている。
「はたん〜。はたん〜。
ダイエー・・。ダイエー。
はたん〜。」
ふうとため息をつきながら、ハトソンが語った。
「ごめんなさい、はいつさん。
ホークスったら、破綻(はたん)アレルギーなの。
ダイエーが球団手放しを決定して以来、ずっと・・。
ここからの説明は、私が交代しますわ。」
「お願いします。ハトソンさん。
僕、藤原氏のごまかしで思い出したことがあるんです。
それは、小泉さんの国会発言です。
『自衛隊が行ってる所は危ないけど、戦闘地域ではない。
自衛隊がいるところは非戦闘地域なのだ。』
この言葉、なんか似てませんか。
『藤原氏の土地は、耕してるけど田畑じゃないでおじゃる。
藤原氏が耕したところは荘園なのでおじゃる。』
ね。
なんとなく似てるでしょ。
すりかえ政治の原点も藤原氏かも・・・。」
「たしかに・・。
その海外派遣だって、原点は藤原氏です。
現代日本が日米同盟に基づいて、イラクに派遣したように、
藤原鎌足(かまたり)が権力を握っていた時代の日本は、
百済との同盟で、朝鮮半島に派兵しましたもの。
日本史上初の、同盟による大規模な海外派兵ですわ。」
そうかあ・・。
僕はうなづいた。
「今、問題になっている憲法。
この原点だって、藤原氏です。
彼らは日本初の本格的憲法である『律令』製作の中心氏族でもあ
りました。」
なるほど・・。
「そして、規制緩和、民営化です。
皇后、太政大臣、摂政・・・。
藤原氏以前、これらの地位につくのは天皇家の人間に限られてい
ました。
けっして、『けらい』には与えられない地位だったのですね。
しかし、藤原氏はことごとく、これらの地位を手に入れました。
『けらい』としては史上初です。
現代の言葉に置き換えるなら、ずばり『規制緩和・民営化』です。」
ハトソンの鼻腔もふくらんでいた。
土地神話、バブル、財政破綻、すりかえ政治、憲法、海外派兵、
そして規制緩和に民営化・・。
なるほど、たしかに藤原氏は現代日本の原点とも言えるかも知れな
い・・。
その時、後ろから、今度は男の声がした。
「ちょっと待って下さい。
大変、興味深く聞かせていただいた気がします。
これはこれで、遠く下関からはるばる出てきたかいがあったと言っ
てもいいかと思います。
しかし、今の説明だけでは、藤原氏が『じじコン』政治にたどり
着いた秘密の謎解きになってないんぢゃあないですか?」
あっ。
『ほしの』で泡ふいて、気を失ってた男だ。
彼もここに運び込まれていたのか・・。
その声を聞き、
それまで、しゃがみこんでいたホークスが息を吹き返した。
「おっ。お目覚めですかな。
いまむらさん・・。」
いまむら・・。
いまむらっていうのか、この人。
「このホークスから、みなさんにご紹介しましょう。
『今日のしみぬき』のいまむらさんです。」
しみぬき?
さてはクリーニング屋さんか・・・?
「違うってば。『いきぬき』だってば・・・。」
男が小さく語った。
今、思えば・・。
これが、後にメルマガ界の足裏マッサージャーと言われる
「いまむら氏」と僕との運命的な出会いだったのだ。
(つづく)
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【2】姉妹誌メルマガ
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今回の紹介は、姉妹誌「今日のいきぬき」からの転載です。
思わず、電卓と電話機を並べてしまう逸品。
どうぞ、お楽しみ下さい。
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1999/06/15 NO.35より 『どうして間違えないの?』
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どうして人間はマニュアルの車とオートマチックの車を乗り分けられるんで
しょうか? 普段オートマの人でも、マニュアル車に乗ると決してクラッチを
踏み忘れたりしません。逆に普段マニュアルの人がオートマに乗ってクラッチ
のつもりで足踏みタイプのサイドブレーキを思いっきりきかせてしまったなん
て事故も聞かないです。
もちろんたまに間違うこともありますが、致命的な間違いをしないように人
間はできてるんでしょうか?
オートマ車に慣れないうちは、ブレーキとアクセルを踏み間違うことがよく
ありますが、このへんも何か関係あるのかもしれません。
とりあえず、人間には底知れぬ順応性があるみたいです。よく使ってる同じ
ようなもの2つを混乱なく使い分けられる… たとえば、電卓と電話機を間違
わずに使えます。当たり前だっ!なんていってるあなた… そうじゃなくて数
字の配置を見てください。電卓と電話機では、さかさまになってますよ。
それから右開きと左開きの本もまったく違和感なく読めちゃいます。縦書き
と横書きが変わってもぜんぜん戸惑わないのも、実はすごいことかもしれませ
ん。
毎日の繰り返しなら、すべてにものごとに合わせられるようにできてるんで
すかねえ。
それなのにエレベーターの「開」と「閉」はよく間違えます。どうなってる
んでしょう?
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【4】友好誌です。見てね。
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(日常のこと、過去のこと、振り返って書きました。)
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