僕は5回ほど、サンタのボランティアをしたことがある。サンタのかっこうをして
幼稚園などを訪問し、クリスマス会のお手伝いをする。そして最後に、用意された
プレゼントを子ども達に渡す。子ども達は大はしゃぎ。でも、一度だけ、たった一
人だけプレゼントを受け取らなかった子がいる。忘れもしない、それは、みえちゃ
んという女の子だった。みえちゃんはきっぱり言った。「プレゼントいらない。」
・・・どうにも気になった僕は、翌日、幼稚園の先生に尋ねた。
「やっぱり、偽物サンタだってばれちゃいましたか・・演技力不足ですみません。」
「いえいえ、みえちゃん、本当のサンタさんだって思いこんでましたよ。」
「えっ、じゃあなぜ・・?」
「みえちゃん、お母さんからいつも言われてたらしいんです。『知らない人から物
をもらってはいけません』って。みえちゃんにとって、サンタさんといえども知
らないおじさんの一人だったんですね。プレゼントは私から渡しておきました。」
僕は、また、みえちゃんの顔を思い出した。そこには幼いながらも親との約束を守
ろうとする強い意志の力があった。そして親への大きな信頼があった。
「お母さんが恐縮してましたよ。サンタさんにすみません、とのことでした。」
先生の最後の言葉に、僕は「素敵な親子の姿」を一つ見せてもらった気がした・・。
では、寄せられました川柳作品からのご紹介。
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【12月】(1)いつだって サンタは男 これ差別(?) <SANOさん(33)>
(2)師走です 川柳書く暇 ありませぬ
<いちみやさん(39)>
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来月のお題は【春】です。作品お待ちしてます。ではまた。