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【1】「灯り」-2001/02/15-
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2/14の夕刊(大分合同新聞)に火災の記事が載っていました。

大分県の国東(くにさき)町での火災です。
国東(くにさき)は、「仏の里」という別名で知られる観光地ですから、
ご存じの方もいるかもしれないです。

悲しいことに、その火災で、15才(中学3年生)の男の子が、命を落と
してしまいました。

今、その出火原因を調査中とのことなのですが、現段階では、「ろうそく
の火」が原因だった可能性があるとの見解です。

その「ろうそくの火」・・。
実は、電気の供給を止められてしまった、この男の子の「勉強用のあかり」
だったのだそうです。

もちろん、出火の原因は別のところにあるのかもしれません。
そして、その原因がはっきりしたところで、男の子が戻ってくるわけでも
ありません。
いずれにしても、親御さんの哀しみは想像を絶するものだと思います。

「ろうそくの灯り」・・。

一方で、中高生が携帯電話を所持し、何万円という通話料を保護者が負担
する現実。
数千円のゲームソフトが、当たり前のように流通し、小学生向けの化粧品
までが販売されているという時代。
保護者の経済力によって、子ども達の生活が、がらりと変わってしまう社会。
そして、それに振り回されてしまう子ども達の姿。
お金を求め、売春までもしてしまう、子ども達。
贅沢に上限がなくなり、新しい「刺激という灯り」を求める子ども達。

このような対照的なことが平然と起きてしまう。
これが、日本なのだなあ、現実なのだなあ・・。
僕はそう思うのです。

「ろうそくの灯り」も日本社会の悲しい一つの断面です。
そして「刺激という灯り」も、大人という灯台を持たぬ子ども達の不幸な灯
りではないでしょうか。

2児の父である僕は自問します。
「目の前の2人の子どもたちの灯台となれるのか。」
残念ながら、いまだ自答できていません。
でも、薄明かりでもいいから照らしたい・・そう思います。

亡くなった男の子のご冥福をお祈りします。

(了)



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