━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「どのように」と「どのようになら」-2000/10/10-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「ね、あんた自動車が好きなんでしょ。」
そのお母さんは、息子さんにそう語りかけました。

ある小さな喫茶店でのことです。
僕はその親子のすぐ隣のテーブルに座っていました。

「うん。」と高校生くらいの息子さん。(会話の内容から3年生だと思います。)

「だったら、やっぱり大学行って資格取るのが一番よ。
 機械科とかがぴったりよ。
 今に電気自動車が増えてくるはずだし、電気科もいいかもよ。
 整備士とかになれるんじゃないの。」

「けど、俺、あんまし勉強とか好かんし、、。」

「推薦とかもあるんじゃない?
 先生に聞いてごらんよ。
 大学さえ出ておけば、絶対なんとかなるよ。
 仮に、別の仕事に就くにしても、絶対有利よ。」

ふと耳にした親子の会話でした。

その会話から、僕は自分の人生について思いました。
僕の人生はどんな歩みだったのか、考えてみたのです。

僕は「どのように生きたいか」を考えて生きてこなかったと思うんです。
いつも「どのようになら生きられるか」・・そればかり考えてきました。
そして、そんな歩みをしてきた気がするのです。

喫茶店で出会った親子の会話。

お母さんは一生懸命に「どのようになら生きられるか」を教えています。
それは、保護者の感覚として非常によくわかります。
また、学校の先生方が行う「進路指導」。
これも「どのようになら」を教師としての経験からアドバイスしてくれている
のでしょう。
おそらく、そこには「愛情」や「責任感」が充満していることだと思います。

しかし、きっと「夢」がないと思うんです。

「どのようになら」という現実の重さを知りながらも、
「どのように」という夢を子どもと一緒に語ること。
難しいかもしれません。

けれど・・。
これからの僕は親として、「そのように生きたい」のです。 
 
(了)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■関連コラム項目「親子の会話
 http://www.yukichi.ne.jp/~deko/sakuin.htm#oyakotaiwa
■関連コラム項目「家庭教育
 http://www.yukichi.ne.jp/~deko/sakuin.htm#kateikyouiku
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



ご意見ご批判は今すぐメールで送って下さい。
たくさんのご意見が「教育の複眼」を作ってくれると思います。
あなたのご意見はメールマガジンやHPにてご紹介させていただく場合がございます。
全て匿名(またはペンネーム)で掲載させてもらいます。
【例】:すもも(32才)主婦
もし、掲載しては困る場合がありましたら、「掲載不可」と明記下さい。
それ以外は掲載合意とさせていただきます。

ホームへ       語句別索引へ counter