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【1】「ガーとメエー」-2001/05/29-
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五月晴れって、こんなに気持ちよかったかなあ・・。
そんな天気になり、子ども二人と隣町の運動公園に行ったんです。

皆さんの町にも運動公園ってありますか?
そこは、陸上競技ができる大きなグランドと公園が併設されているんで
す。
すぐ隣には温泉施設もあり、子どもから、お年寄りまで楽しめる所です。

その大きなグランドが「草刈りのための整備中」だったんですね。

ふつう、そういう時って「草刈り機」を背負って「ガー」って草を
刈ってる整備員さんの姿が頭に浮かびませんか?

でも、その時は違ったんです。
どうやって草を刈ってたと思います?

なんと、なんと・・。
グランドに「ヤギ」を放してるんです。
整備員さんに聞いたら、「自宅からヤギをつれてきた」とのこと。

「ヤギにあらかた草刈りしてもらうんよ。へへへ。」
整備員さんは、ヤギの背中をなぜながら、そう教えてくれました。

僕の子どももヤギと遊ばせてもらって、大喜び。
僕も、なんか、のんびりして、いい1日になりました。

僕の耳に入ってくる音は、草刈り機の「ガー」のかわりに「メエーー」
です。
もちろん、子ども達も同じ音(声)を聞いています。

僕とかみさんは子育ての真っ最中。
「わがまま」「いたずら」「いじわる」「暴力」・・。
時に、僕らは、子どもの行動から、「行為の草刈り」をしなけりゃいけ
ない場面に出くわします。
できるだけ、「行為の草刈り」なんて、したくないのだけれど・・。

僕は、そんな時「ガー」って「草刈り機」でやっちゃいます。
「ガー」って音は、子どもの実際の声も、心の声もかき消してしまいます。
結局、子ども達の心の耳に「ガー」って騒音だけを残していきます。
そして、僕にもその音は染みついていくわけです。

僕に必要なもの・・。
それは、「メエー」っていうヤギの草刈りなんだろうなあ。

子どもの心に「メエー」って音を残してあげたいなあ・・。
五月晴れの、のんびりした1日は、反省するにもってこいの1日でした。

(了)


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