13万人の学校に行かない児童生徒たち。彼らのことをデコさんは「もっとも学校
という世界を詳しく観察した子ども達かもしれないんです。13万人のガリレオ。」
と表現しました。
まったくそのとおりです。
今の多くの学校が非人間的なものであること。
一人一人を大事にし、その力や興味関心を伸ばすものではないこと。
このことをさまざまなことを切っ掛けに、身をもって知ってしまった人たちです。
そしてデコさんはこうも言いました。
「へたをすると、現代という社会は、彼らをまた裁判にかけてしまうかもしれませ
ん。」と。
これは「かもしれません」ではなく、すでに裁判にかけてしまっているのです。
学校に行かないこがでると、学校は(つまり教師や同級生は)「なぜ学校にこないの
?」と本人を責めます。
そして毎日毎日迎えに来り電話して来たり。
そしてあれこれ学校にこない理由を聞き出そうとします。
それだけではありません。その家庭の近所の人たちや親戚、はては家族だって同じこ
とをします。
この対応自体が学校に行かない子を裁判にかけているのと同じことでしょう。
「学校に行かないのはおかしい」と。
そしてこの児童生徒たちが学校には行かないが近所やどこかに出かけたりすると、
そのこと自体を問題視し、結果として家に閉じこもらせてしまいます。
教育基本法には「普通教育を受けさせる」義務はうたっていますが、学校に行かせ
る義務とは言っていません。
今の学校に変わって、大人になるのに必要なことを学べる場があれがそれで良いはず
です。
・・・・さまざまな「学びの場」が各地でつくられ、多くの「不登校」の児童・生徒
たちがそこに通い、そしてこの「学校」をも「普通教育の場」として認めようという
動きが出て来た事は、やっと社会全体が「学校に行かない子を裁判にかけていること
のおかしさ」に気付きはじめた現れだと思います。
でも本当は、今の学校を作りかえることが必要なのですが。
(了)
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【5】編集人ひとこと
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■僕は「不登校は問題ではない」と思います。
不登校を問題とする「学校と家庭の関係システム」にこそ問題が
あると思っています。
矛盾した言い方ですが
「学校なしでも平気だ」と言えるような家庭教育の充実こそが、
よりよい学校システムを作れると思っています。