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■「自由から守る」-2000/10/23-
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ある事件が起きました。

マスコミなどで騒がれるようなものではありませんが、僕は大きな事件だと思います。
だから、この通信で報告しようと思います。

きっかけとなったのは、駅前や商店街などで配られるハンディティッシュです。
道行く人たちに無料で配ってますよね。あれなのです。

僕も時々もらうのですが、花粉症の季節など「助かったなあ」などと思ったりしてい
ます。
しかし、そこに大きな落とし穴があったんですね。

そして小学校4年生のある女の子がその落とし穴に落ちかけてしまったのです。
その女の子は僕の家の近所に住んでいます。

その日の朝、女の子は、お母さんからそろえてもらったハンカチ・ティッシュを持って
通学したのだそうです。

1日の授業がおわり、友達と家に帰る途中のことでした。

なにげなくポケットから取り出したハンディティッシュの裏に、かわいい動物の絵が描
かれていたんですね。
そして、その動物の横に「お電話してね。」と書いていたんです。

たまたま、帰り道にあった電話ボックス。
女の子は、友達と二人で、書いてある電話番号に電話をしてしまったのです。

女の子達は「動物の声が聞ける。」と、楽しみにダイヤルしたのだそうです。

ところが、相手先はかわいい動物の声を聞かせてくれる所ではありませんでした。

そこは、大人の男女が出会う、場合によっては売買春の疑いさえかけられるような場所
だったのです。

「なんだか変な感じ」と思った女の子達は電話を切りました。

もし、電話を切らなかったら・・そう思うとぞっとします。

子ども達はいわゆる「情報化社会」の中に生きています。
それは、僕たち保護者も経験したことのない社会ですよね。
ハンディティッシュの裏にさえも情報があふれているわけです。
誰でも自由に情報を得、発信できる時代になりました。
また、「高度情報化」「IT革命」などの言葉がさらに拍車をかけていきます。

テレビは100チャンネル時代と言われ、インターネットは大きく普及しようとして
います。
携帯電話は町にあふれ、子ども達の道具としても珍しいものではなくなっています。
コマーシャルは、どこかしこに顔を出し、にこやかに刺激的に語りかけてきます。

まったく無防備のまま、僕らはその世界に突入しようとしているのです。
そんなことを痛感させられた事件でした。

歴史的に、僕らの先輩達が求めてきた自由。
時には血を流しながら、訴え続けた自由。
さらに、その「自由を守る」ために、命さえ捨てざるを得なかった時代。

僕らは今、皮肉なことにも「自由から守る」時代にさしかかっています。
そんな気がしてなりません。

「自由から守る」・・僕の家庭では、今後のキーワードになりそうです。

みなさんの体験・ご意見なども、ご紹介下さい。

(了)
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■関連コラム項目「情報社会
 http://www.yukichi.ne.jp/~deko/sakuin.htm#jouhou
■関連コラム項目「家庭教育
 http://www.yukichi.ne.jp/~deko/sakuin.htm#kateikyouiku



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