「看板に偽り有り」-2000/1/18-

 皆さんに少し想像してもらいたいんです。

今、ある人(仮に山田さんとします)が子供さんとジェットコースターに乗ろうとしています。
看板にはこう書いてあったんです。
「只今、搭乗無料です。」

「おお無料だ。うれしいな」と並んで、係員さんが来るのを待ってました。
いよいよ係員さんがやって来ました。
「お客様、本日は無料でジェットコースターを提供しております。」

「知ってますよ。嬉しいサービスですね。」
「ありがとうございます。ただ、お乗りになる前に必要なことがあるんです。」
「え、何ですか?」
「危険防止のためヘルメットをご着用願います。」
「はいはい、結構ですよ。」
「ありがとうございます。ヘルメット貸し出し料金お一人様¥500頂きます。」
「えっ、お金がいるの?まあ、安全のためだ。仕方がない、払います。」
山田さんは、しぶしぶ、料金を払い、乗り込もうとしました。
「あっ、お客様少しお待ち下さい。安全のため防弾チョッキをご着用願います。」
「えっ、防弾チョッキ?何故、そんな物がいるの?」
「はい、万が一、走行中に鳥などがぶつかってきた場合を考えてのことでございます。」
「ああ、わかったよ。」
「貸し出し料金¥2000でございます。」
「えー、またお金がいるの!!」
「はい、その他に万一の事故に備えて名札もご着用いただきます。お一人様合計¥3000です。」
「もし、チョッキや名札がなければ乗れないの?」
「はい、搭乗をお断りいたします。」
「では、無料というのはウソじゃないか。」
「いいえ、あくまでも貸出料を頂くのですから、ウソではございません。」
「ばかばかしい、看板に偽り有りだ。もう、乗るのは止めます。」
すると係員さんは冷たく言いました。
「いいえ、お客様はお子さまを乗せる義務がございます。」

なんだか、おかしな話ですよね。
ヘルメットやチョッキ、名札の着用が義務ならば、その料金は搭乗料金と同義語ですよね。
山田さんだけじゃなく、僕だって怒りたくなりますよ。
最後に「のせる義務がある」なんて言われれば、なおさら怪しいジェットコースターですよね。

日本国憲法はその第26条でこう言っています。
「義務教育は、これを無償とする。」
また、教育基本法は第4条で「公立の義務教育については授業料を徴収しない。」とあります。

確かに、公立の義務教育は授業料は無料です。
しかし、例えば多くの中学校は制服着用を義務づけています。
ということは、着用しなければ授業を受けることができないことを意味しませんか?
そして、制服は各人が購入しなければなりません。
ならば、「看板に偽り有り」では無いでしょうか?

中学校の制服問題は大きな社会問題の一つになっています。

僕は制服着用の教育効果を語る前にこう思うんです。
義務教育ならば「入学の際に特別に用意する物はありませんよ。」というべきじゃないでしょうか。

その他にも義務教育期間中にたくさんのお金がかかります。
そのことについても、いつか発信します。
ご意見をお寄せ下さい。

(了)



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