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選択給食 へ 1999/11/14
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愛媛県の宇摩郡土居町の2幼稚園、5小学校、1中学校の児童生徒や教職員ら771人が食中毒。
同町学校給食センターが調理した給食が原因であった。(1999/11/12発表)
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 あの悪名高き"O-157"以来、毎年のように給食による食中毒が発生しています。

 公立の義務教育の場合、給食を食べることが当然のように行われています。
言葉を換えるなら「義務給食」です。

 給食は戦後の貧しさや悪環境などから欠食児童を守るために作られた制度ですよね。
そして、それは絶大な力を発揮し、助けられた子供達はたくさんいることでしょう。

 しかし、現在はどうでしょうか?
「飽食の時代」をむかえ、ファーストフードの店では余り物をその日に捨ててしまうような状態です。
いわゆる「欠食児童のために」という目的はなくなりました。
「義務給食」はその役割を終えようとしているのではないでしょうか。

 現在、給食制度が抱えている問題は食中毒の問題だけではありません。
少し以前に出された問題は食器のことです。
いわゆる「PC食器から環境ホルモンが出ているのではないか」という事でした。
これは、かなりの市町村で改善されてきているようです。
(例えば秋田県の稲川町では特産の川連漆器への変更を目指しているそうです。)
しかし、全面的解決はまだされていません。

 もうひとつ根本的な問題があります。
それは生命や生き方に関わることです。
結論から言えば、僕は給食を強制すべきではないと考えています。

給食関係の方々は限られた予算の中で、栄養を考え、献立を工夫し、大変な努力をされていると思います。
余談ですが僕の友達にも給食栄養士さんがいます。
その大変さを理解した上で意見を述べます。

 例えば、健康を考えて無農薬素材の食事を続けている家庭があったとします。
その家庭の子ども達に無農薬ではない素材の「給食」を強制するということは残酷だと思うのです。
今や遺伝子組み換え作物などの問題も出てきています。
実際、栄養士さん達も安全な食材を用意したいのでしょうが予算がそれを許しません。

 また子どもには親の手作り「弁当」が1番だと思っている保護者もいるでしょう。
その思い、願いはワガママなのでしょうか?

 確かに、いろんな事情で是非とも「給食」が必要な家庭がたくさんあります。
だから「弁当」を選ぶ保護者がいて、「給食」を選ぶ保護者がいる、それで何の問題もないと思うのです。
仮に問題があったとしても「生命」「生き方」の観点から考えるとずっと小さな問題のはずです。
解決できないはずがありません。

「義務給食」から「選択給食」へ、、そう願っています。



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