1月24日がやってきます。
給食記念日です。
昭和21年(1946年)12月24日に戦後の給食が始められました。
日本中が敗戦の混乱の中にあり、飢えていた時期です。
ユニセフなどから小麦粉などが送られて給食が再開できたそうです。
当時の子ども達には大きなクリスマスプレゼントとなったでしょう。
半世紀が過ぎました。
日本の食糧事情は劇的に変化しました。
「飽食の時代」と言われ、給食もレストランなみのメニューが並ぶようになりました。
デザートが給食についてくる、それが不思議でも何でもない時代なんです。
「自分たちの子どもだけは飢えから解放してあげたい。」
戦争を体験した親たちはそう願っていたと思うんです。
そして、働きました。
血の汗を流しながら働いたことでしょう。
その労働により敗戦国日本は驚異的な経済の成長を成し遂げました。
当然のように給食も豪華になってきたのです。
栄養のバランスも考えられ、より美味しく工夫されてきました。
子ども達は敗戦後のような「飢え」からは完全に解放されたんですね。
敗戦時の願いは、猛烈な勤労のお陰でかなえられたわけです。
僕たちは、このことに感謝すべきだと思うんです。
以前に僕にメールをくれたおじいさん(戦争体験者)は、こう語ってくれました。
「朝のみそ汁の具を残して、昼の弁当のおかずにしました。それが、ごちそうでした。」
僕の友人が受け持った子ども(5年生)は給食の時間にこう言ったそうです。
「先生、僕は生野菜にはマヨネーズじゃだめなんです。ドレッシングがないと、、。」
友人は最初は冗談かと思ったそうです。
そして、本気だったと知って愕然としたそうです。
僕たちの子どもは確かに量的な「飢え」からは解放されました。
しかし、新たな種類の「飢え」を身につけていこうとしているのかも知れません。
「ドレッシングがないとダメだ」という子どもは「飢え」ていると思うんです。
現在このような子は特異な例です。
しかし、ある種の予兆を感じさせる例とも思えるのです。
僕たちの世代は親として、この「新たな飢え」の予兆を見つめる必要があります。
そして、その「飢え」から次世代の子ども達を解放してあげなければならないと思うんです。
「飽食の時代」それは「新たな飢えの時代」かも知れません。