厚生省が11月11日に発表したところによると、15から19歳の男子の喫煙率は2割だそうです。
僕が青少年センター補導員だった頃、喫煙者を補導したことがあります。
彼は中学1年生、小学校6年の頃から吸い始めたそうです。
彼は主張します。
「なぜ、吸ったら悪いのか?」
「法律といったって、信号無視と一緒だ。みんな守ってない。」
「大人だけが吸っていいというのはおかしい。」
「体に悪いというなら、大人も同じ。」
「吸って死のうが生きようが俺の自由だろ。」
「側に誰もいないところで吸ってるんだから、誰にも迷惑かけてないだろ。」
喫煙補導だけでなく、いろんなケースで補導された子も最後は同じように言います。
「誰にも迷惑かけてないだろ。」
だから子どもの喫煙問題は「喫煙」という視点からだけでは解決しないと思います。
「誰にも迷惑かけてないだろ」
このセリフに対抗する言葉があるのでしょうか?
子どもが産まれた時に、僕たち親はよくこんなふうに言います。
「他人様に迷惑をかけないで生きてほしい。」
これが間違っていたのではないでしょうか?
また教師も子どもをしかるときによく言います。
「勝手な行動するとみんなに迷惑がかかるでしょ。」
きっとこれも間違いなんです。
このような大人の発言を聞いてきた子どもたちはこんな理論を構成します。
「迷惑がかかる=悪いこと、迷惑かけない=悪いことじゃない」
「迷惑をかけない行動をとる」ということは消極的な生き方なんだと思います。
理想論だといわれるかもしれませんが、僕たち大人は自身の反省を込めて言うべきです。
僕たちの2世代ぐらい前の大人達が使っていた言葉を。
「他人様のお役に立てる人間になりなさい。」