文部省の発表がありました。
日本では高校の中退生徒が11万1,000人で過去最高を更新中だそうです。
僕と妻の間には2人の子どもがいます。
上の子は女の子で現在小学生です。幼稚園も保育園も経験していません。
それで娘には小学校について、こう言っています。
「お父ちゃんにとって小学校はとても楽しい所だった。
けれど、ちび(僕は娘をこう呼びます)にとってどんな所になるかはわからない。
だから入学は『おめでとう』とは言えないな。
ただ一つ言えることは、みんな結局、学校をやめていくってことだ。
6年間通って卒業してやめる子もいる。
いじめられたり、トラブルを起こして途中でつらくなって、やめちゃう子もいる。
他にしたいことができて途中でやめる子もいるかも知れない。
ちびがどんなやめ方をするのかはわからない。
けれど、それが、どんなやめ方であっても『おめでとう』だ。」
将来、娘は「いじめ」にあうかもしれません。
そして、学校をやめてしまうかもしれません。
けれど、それはそれで、困難から逃げる術を学んだことになると思うんです。
それだけで、いいと思うんです。
もしかすると、「いじめた」人間は娘の中退が反省するきっかけになるかもしれません。
かえって、「いじめ」を助長するかもしれません。
でも、どちらでもいいんです。
そこまでの責任を負う必要はないですよね。
困難に立ち向かうこともいい経験でしょう。
同じように困難から逃げること、これもいい経験だと思うんです。
僕にとっては、どちらもいいのです。
だって、僕が今こうして存在しているのは、たくさんの困難から逃げてこれた結果なのですから。
もしかすると、学校を中退すると将来さらに困ることができるかもしれないですよね。
その時はその時で考えればいいんです。
その時も乗り越えられる困難だけ、乗り越えればいい。
無理をせずに逃げること、この価値も子どもに教えたいのです。
現実問題として、子どもが学校を途中でやめてしまったら、親戚などは心配し非難するかもしれません。
けれど、僕は子どもを守ります。
僕は子どもの保護者ですから。
山の向こうにたどり着くには何も山越えをする必要はないのです。
周囲をぐるっと回ればいい。
頂上からの風景を見ることはできないが、息を切らさずのんびり行ける。
中退については各家庭でいろんな考え方があるでしょう。
ただ、僕はそんな道しるべもあるんだと、子どもに教えたいのです。