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 ■■はいつの「楽しもう歴史教科書」52-1【交流版8-1】■■■
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         【発行者 はいつ でこ】
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  「たの歴」は【通常版】と【交流版】の2部構成です。
  
  ●【通常版】の発行は [隔週金曜日]です。
  ●【交流版】の発行は [僕だけのひみつ]です。
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  ▲バックナンバー▲
 http://village.infoweb.ne.jp/%7efwkh8072/deko/his/
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●今回は【交流版】です。
●下記のようなメニューでお届けします。

■目次
【1】[たの歴トークトーク]

   ●ゲストの力をたよりに歴史のすき間に迫ります。

   【テーマ】「ちょんまげ誕生の秘密」

   ラジオを聞く気分でお読み下さいね。

【2】トークを終えて

【3】メールいただきました。

【4】メールお待ちしています。

【5】僕がやってること

【6】友好誌です。見てね。

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【1】[たの歴トークトーク]
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  【今回のゲスト】大山淳子(JUNKO)さん。(愛称ぶんちゃん)

  【プロフィール】メルマガコラム「ぶんぶん便」の著者。
          その鋭くも暖かい視線は、たくさんの読者の
          共感を呼んでいる。
          
    【  関連URL   】「ぶんぶん館」
          (はいつのサイトと いとこサイトです)
                    http://homepage1.nifty.com/jyk/

  【 テーマ 】「ちょんまげ誕生の秘密」

     あのヘンテコリンな髪型「ちょんまげ」。
     歴史という川の中で、武士とともに生まれ、消えていった
     「ちょんまげ」。
     そこには、どんな秘密が隠されていたのか。

     伊能忠敬(いのう ただたか)さんの日本地図作りのエピ
     ソードもまじえ、「ちょんまげ誕生」に迫ります。
     あなたの「ちょんまげ」感が変わるかも。

     また、JUNKOさんの素敵なコラムも2作、お届けします。
     どうぞ、お楽しみ下さい。
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> 【はいつ】

        みなさん、こんにちは。

        「たの歴トークトーク」のコーナーです。

        今日も「歴史のすきま」に入り込んで、グリグリしちゃいましょう。

        今日のゲストはメルマガ「ぶんぶん便」の筆者、フリーライターの
        大山JUNKOさんでーす。

        いきなりだけど、まず、おことわり。
        僕ね、JUNKOさんのことを「ぶんちゃん」と呼んでますんで、
        今日も、そうさせてもらいます。

        ぶんちゃん、よろしくね。

> 【JUNKO】

        今日はおまねきありがとうございます。

        ぶんこと、JUNKOです。

        歴史は得意ではありませんが、すきまならなんとかなりそうです。
        がんばります。

> 【はいつ】

        今日は「ちょんまげ誕生」について語り抜きたいんだけど。

        まずは、オーソドックスに、好きな歴史上の人物とそのわけなんて
        話してよ。

> 【JUNKO】

        男性では、伊能忠敬。女性では清少納言です。

        信長さんや純一郎さんのように、政治的影響力を持つ人物より、
        はじっこ的な人が面白いですね。

        伊能さんの人生は、後半になって怒濤のように濃くなります。

        ご本人にとっては、ずっと同じ濃度なんでしょうけど、
        歴史的に見てると、後半がすごい。

        55歳過ぎてから、歩きまわって日本地図を作った。
        その「後半重量過多人生」にあこがれます。

        やってることは途方もなくデカいのに、きちんと計算し
        算出しながら計測している。細やかな職人気質も好きです。

        清少納言は、親近感です。

        小学生の時、通知表に「口八丁、手八丁で、清少納言のごとく云々」
        と書かれました。誉めてるんだか、どうだかって感じですけどね。

> 【はいつ】

        なるほどお。
        あこがれの伊能忠敬と親近感の清少納言か・・。

        じゃあさ。
        まずは、あこがれの伊能忠敬からいきまひょ。

        調べてみたら、「江戸時代に学問を広めた一人」として
        中学校の歴史教科書にも載ってたよ。

        今なら、55才の元気なおじさんっていっぱいいるだろうけど。
        それでも、全国歩き周りは、できないよねえ。

        それにさ、当時(江戸時代)の平均寿命って40才以下だったらし
        いもんね

        現代(男性の平均寿命78才)なら何歳ぐらいかなあ・・。

        えーっと。
        単純に計算すると・・・。

        ぎえーっ!
        108才だよ。108。

        除夜の鐘じゃん。
        「人生の後半」どころか、まさに「人生の大みそか」です。

        伊能さん、すごいや。

        何が伊能さんをそうさせたんだろ・・。
        そもそも、なぜ、地図だったのかなあ・・?

> 【JUNKO】

        108才になったヒトがしたいことは何か。を考えてみました。

        108才の心境を想像してみますと、

        「もうじゅうぶん生きた。いつ死んだって、本望だ。
         健康なんか留意せず、思い切って、やりたいことをやろう」

        つまり、老後の楽しみです。趣味です。

        伊能さんはもともと旅が好きだったフシがありますので、
        老後に旅をしましたが、働き者の貧乏性で、ぶらぶらできずに、
        「ついでに測ってみた」のかもしれません。

        旅は思いのほか健康にプラスになり、
        長生きした上、偉業を成してしまった。という…。

> 【はいつ】

        なるほどねえ。

        人生の大みそか。
        たしかに
        「もう、これからは好きなことをやりたいだけやろう。」って気に
        なるよね。

        好きなこと。
        それが「旅」だった・・・。

        なんか、わかるなあ・・。

        旅のついでに地図を作ってたら、周囲が驚くほどの才能があった。
        で、そっちの方に興味が移っちゃった。

        そして、
        「これは、いけるぞ!」ってな感じになり、
        次第にやる気みたいなものが芽生えてきた。

        結局、幕府もその力を認めて、地図作りを伊能さんを中心にした国
        家プロジェクトにしちゃったんだよね。

        にしても、幕府もすごいよね。

        よくもまあ「現在換算年齢108才」をリーダーに任命できたなあ・・。
        これ、すごいよね。

        今の日本政府だったら・・。

        「伊能さんもいい年なんだし、やめといた方がいいよ。
         戦国時代はとっくに終わったんだけど、
         まだ危険地帯もあるんだからね。
         もしもだよ。
         もし、
         途中で事故にあったり、誘拐されたりしても知らないからね。
         ぜーんぶ自己責任だからね。
         救出費用も自己負担だもんね。」

        なんて言いだしそうだもん。

        しかも、伊能さんって元々は商人でしょ。

        まあ、ふつうなら、もっとバリバリの武士の出現を待つよね。

        なんで、待たなかったの、幕府?

> 【JUNKO】

        そもそも政府って、政府を信用してないと思う。
        政府の要請で行く政府の人の能力をアテにしていないと思う。

        一応、行かせる。行ったという形跡が残ればいい。のですから
        たいしたことはできなくていいわけです。

        小泉さんはブッシュさんとキャッチボールをしました。
        それくらいできればいいわけです。

        幕府も、武士の能力を信用していなかったのでは?
        「どうせ武士じゃん。剣術以外なーんもでけんし」
        と思っていたのでは。

        あの二宮金次郎さんも、農民でした。
        能力を買われて幕臣に登用されちゃうのですからね。

        必要とあらば、幕府も政府も、できる人間をちゃあんと選ぶんです。

        たぶん、現代だって、
        「やばい。ちゃんと仕事しなくちゃ」と政府が思えば、
        誘拐された人たちに頭を下げて、危険地帯に行ってもらうでしょうね。
        志が高く、実行力があるって、証明されたんですからね。

        しかし…救出費用を本人に請求、って突拍子もない話ですよね。

        国会議員の口からそのセリフが出た時、
        かりんとうと間違えて猫のフンを口に入れちゃったような、
        ものすごい味がしましたよ。

        税金は人命救助にこそ、ばんばん使っていただきたいです。

> 【はいつ】

        げげーっ。

        口に入れちゃったことが あるの? ネコのフンを。

        「ものすごい味がする」ってことは、しばらく口に含んでたんだよ
        ね。

        すっげーなあ・・。

        どの時点で気づいたの?

        「これ、かりんとうじゃないかも。」って。

> 【JUNKO】

        まっさかあ。
        ネコのフンは口に入れたことないです。

        よく「血って、鉄の味がする」と言いますが
        鉄を食べた人はいないと思います。

> 【はいつ】

        そっかー。
        今でもフンだと気づいていないんだね。

        とにかく、よほどのことでない限り動かない幕府が、伊能さんを必
        要とした。
        それほど、正確な地図を、ごっつう本気で必要としていたってこと
        なんだよね。

        僕、ここがわからないなあ。

        江戸後期だから、そろそろ、欧米が日本に目をつけてきた頃だよね。

        「すきあらば、半植民地にしちゃえ。」って感じで。

        だから、攻めようとしている欧米が日本地図をほしがるのはわかる
        んだけどなあ。

> 【JUNKO】

        そもそも蝦夷の測量が始まりだったようです。

        だとしたら、幕府の直轄、統治のための資料ということになります。

        年貢を効率良くとるなど、全国を統治するのに
        地図が必要だったのかもしれません。

        一方、伊能さんの地図はフランスやアメリカで発見されてます。

        これは植民地にするのための資料だったでしょうか。

        私は、浮世絵みたいに「美術品」として持ち帰ったような気がする
        のです。

        地図って、綺麗だし、見てて飽きないですもんね。

> 【はいつ】

        なるほどお。美術品か。

        たしかに、ものすごく綺麗だもんね。
        伊能さんの地図。

        芸術だよねえ。

        あっ。
        もしかすると。

        欧米は、伊能さんの地図を見て、
        「日本、あなどりがたし。」って思ったのかも知れない。

        ひょっとしたら、日本を植民地化から救ったのは伊能さんかも。

        それが、幕府の裏のねらいだった可能性もあるなあ・・。

        欧米にひけをとらないぞっていうデモンストレーション。
        欧米をびびらせる何かが、必要だった。

        ぶんちゃんの書いてたように、浮世絵をはじめ、日本の文化が、
        この頃から世界に出ていくよね。

        国際的な交流が始まれば、当然と言えば当然なんだけど・・。

        でも、外に出ていかなかった文化があるよね。

        日本で生まれ、日本だけで、その命を終えた文化。

        日本人の僕にとっても、すごく不可解、けれど芸術の匂いのする文
        化。

        地図が、伊能さんの頭の中から生まれた芸術だとすると。

        ここからは、伊能さんも頭の上にのっけていた芸術。

        あのファッションがどうして生まれたのか?
        あれは、いったい、どういう意味なのか?

        そう、「ちょんまげ」についてグリグリしたいと思います。

        その前に、ここで、ぶんちゃんのコラムをひとつ、お届けします。

        僕の大好きなメルマガ「ぶんぶん便」から「風に乗る」です。

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  ○風に乗る (2001/7/10発行ぶんぶん便No.40より)
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推定年齢タラちゃんくらい。
雨の振る日に傘をさし、すべり台の上から落っこちた。

遠くで見ていた母の目には、幼い私が転落するように見えたらしい。
事実は少し違う。
私は落ちたのではなく、飛んだのである。

当初の目的はすべって降りるというコンサバチブなものだった。

雨の中、傘をさし、ハシゴ式の階段を昇った。
昇りきった時、ふわりといい風が吹いた。
傘に抵抗感を感じる程度の、強くて優しい風だった。

ふと、風に乗れる気がした。その瞬間、風に身を任せ飛び下りたのだ。

夢は一瞬にして破れ、私は地面に叩き付けられた。
背中をしたたか打ち、激痛が走った。
半狂乱で駆け付けた母親に「風に乗った」とは言えない。

痛い。傘は折れた。けど涙は出ない。
夢からさめる時、人は不思議な、きょとんとした気分になる。

その性格は治らない。

私の人生は、ふとその気になって、夢からさめるの繰り返しである。
さめた時のきょとんとした感じも同じで、
悲しいくせに最初からわかっていたような気もする。
あの時折れたのは傘だったが、大人になるにつれしばしば骨も折った。

ただその、風に乗る瞬間の躍動感はすばらしく、
凝りもせず身を任せてしまう。
その時の思い切りの良さは格別で、普段の優柔不断な私ではない。

風に乗る。
その一瞬の為に生きているような気もする。    

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●以降、交流版8-2に続きます。
 



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