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【1】【ゲストさんコラムその17】------2000/10/13------
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・皆さんからいただいた教育に関するコラムです。
・教育の複眼づくりにご協力下さい。
・みんなで教育コラムの輪をつくりましょう。
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■本日のゲストさんは、[乙女姐やん]さんです。
 [乙女姐やん]さんは先生を目指しています。
 9/29の「ゲストさんさんコラム13[体罰について]」に関連し、
 ご自分の体験から今後の自分の進む道について寄稿してくれました。
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【タイトル】「体罰について」に寄せて
【テーマ】体罰経験と自身の道
【寄稿者】乙女姐やんさん(教員志望)
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■元になるコラム「体罰について(00/9/29)」by Oさん
 http://www.yukichi.ne.jp/~deko/colums/guest13.htm
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Oさんのご意見に、全くの賛同をします。
 
私の父も、Oさんのお父様と同じく、「犬と子どもはその時叩く」が持論でした。
「言い訳するな!」そう言って、コブシや箸が飛んできたものでした。
父が、そうやって躾られてきたようです。
「昔は、真っ赤に焼けた火箸で叩かれたもんだ。
 普通の箸で叩く事を感謝しなさい」といっていました。
普通の箸といっても、父のは大きくて太い物だったんですが・・。
そして私も、Oさんと同じく本心から父と向き合う事の出来ないまま育ちました。
 
小学生のころ、泣きながら母に訴えた事があります。
「子どもは親になった事が無いから親の気持ちなんてわからん。
でも、親は昔、子どもだったんだから、子どもの気持ちはわかるはずや!
叩かれて、憎しみは育っても、愛情なんか感じん!!」
後年、母が、「あの時のあなたの言葉に胸を衝かれた」と振り返りました。
 
火箸で叩かれた父は、本当に愛情を感じていたのでしょうか。
叩く側の偽善だとは思わなかったのでしょうか。
 
結婚して親元を離れた今、実家に帰るのは憂鬱です。
出来れば帰りたくありません。
そして、自分が親になるのが怖い。
今度は私が「虐待」をしてしまうのではないかと・・・。
 
私は今、不安神経症という症状で、病院へ通っています。
摂食障害・睡眠障害もあります。
お医者さんの見立てでは、私にとって上位自我となってしまった父が、
私の不安定さの原因のようです。
・・それでも、父の事は、やっぱり好きなのです。
いっそ、憎んでしまえれば楽かとも思うのに、
私にとっては大切な人なのです。
だからこそ、苦しんでまいす。
 
その私がひどい症状にならずに済んでいるのは、
母の愛情有ればこそでした。
どんな事があっても、絶対に話を聞いてくれる。
私を受け止め、そして、父と私の橋渡しをしてくれるのです。
(だから父を嫌いにならずに済んだのかもしれません)
母は私の「心の基地」でした。
また、父に甘えていない分、夫が包み込んでくれます。
そうやって、少しづつ自分を許す訓練をしていますが、
一朝一夕に解決する問題ではありません。
 
こんな風に、子どもの心に長年にわたって重荷を乗せてしまう体罰。
「そんなつもりじゃなかった」
と言えば通用するものはありません。
「じゃあ、そんなつもりじゃなかったら、何をしてもいいの?」
と言う事になります。
「これが躾のつもりだった」のかもしれません。
間違いの無い躾など、簡単に出来る事ではないでしょう。
だからこそ、
「いま自分がしているのは正しいのか。良いのか。必要なのか」
を、常に自問自答してゆかなければならないのでしょう。
 
こんな心の病を抱えた私が教師を目指しています。
心に闇を抱えた子どもたちと、肩を並べて話をしたいのです。
少しでも、子どもたちの荷を軽くしたいのです。
 
体罰ほど、百害有って一理なし な、ものは無いでしょう。
 
P.N 乙女姐やん
 
(了)
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【5】編集人ひとこと
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体罰について、多くのご意見が寄せられました。
僕自身は体罰について否定的な考えを持っています。
しかし、肯定・また消極的ながら肯定というご意見もあります。
そのようなご意見も複眼の一つとして、今後ともご紹介していきます。
ありがとうございました。



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