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【1】【ゲストさんコラムその26】------2000/11/30------
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・皆さんからいただいた教育に関するコラムです。
・教育の複眼づくりにご協力下さい。
・みんなで教育コラムの輪をつくりましょう。
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■本日のゲストさんは、雅さん(小学校の先生)です。
 雅さんは学校に来なくなった児童に対する学校全体の取り組みを紹介してくれま
 した。以前に発信した「ゲストさんコラム20[相談員としての悩み](たましいさ
 ん)」に関連しての提案にもなっています。
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【タイトル】「学校の協力体制」
【テーマ】不登校児童への接し方
【寄稿者】雅さん(小学校の先生)
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■関連コラム「ゲストさんコラム20[相談員としての悩み]
 http://www.yukichi.ne.jp/~deko/colums/guest20.htm
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私は、小学校教諭として5年目、現在2校目の勤務校で仕事をしております。
1校目の学校(つまり初任校ですが)に言って、4月最初の職員会で担任発表があっ
た後、前担任から「このクラスには不登校傾向児が5人いるから。」と聞いて、ド
キッとしました。いつも来ないのではなく、時々学校を休んだり、保健室へ行ったり
する・・・そんな子達にどう接していったらよいのか、普通に怒ってもよいのか・・
・私が担任になったことで、「傾向」が「完全」になってしまったらどうしよう・・
・悩みの連続でした。お断りしておきますが、いきなり不登校児の多い学級を初任者
に任せた、ひどい学校経営とは思わないでください。他の学級・学年も大なり小なり
そうした子を抱えていましたし、まったく学校には来ない子も3人いる学校でしたの
で。

悩みに悩んでたどり着いた結論は、
・自分の信念を持って、学級経営をする。
・自分の考えは他教師にも伝え、相互理解を図っておく。
・自分だけで抱え込まない。
でした。あたりまえのことばかりですが、結果的に1年間が終わったとき、私の学級
に不登校傾向児はいなくなりました。

もちろん私だけの力でそうなったわけではありません。他の先生方の協力、特に養護
教諭の先生と相談員の方のお力が大きかったと思います。

今回のコラムで、「たましい」さんは相談室登校児の安らぎの場となっていらっしゃ
ることを感じます。だからこそ、思いっきり甘えたりできるのでしょう。それは素晴
らしいことだと思います。

しかし、(大変失礼な言い方で申し訳ありませんが)、「たましい」さんの信念、な
ぜ相談員をやっているのか、子どもたちに接することでその子をどうしてやりたいと
思っていらっしゃるのかがつかめません。

まずは担任の先生と充分な打ち合わせをされ、その子をどうしていきたいのかの方向
をはっきりと定めることが第一ではないでしょうか。そして、方向に沿った部分では
叱り、甘えてもよい部分では甘えさせる。その相互理解を行わないと、結果的に何を
しているのかわからなくなってしまいます。

私がその学校で勤務した最後の年、一ヶ月の3分の1は欠席するという不登校傾向の
児童がいました。養護教諭と相談して、まずその子には自分が何をしたいのかをきち
んと話させることからはじめました。保健室や相談室に行きたければとめない代わり
に、行きたいということをきちんと話す、行ったら何をしたいのかを言う、話さずに
勝手な行動をとった場合はどの教諭も叱る・・・その方針を徹底させました。最終そ
の子は、自分の思いを話せる子となり、学級の中に自然に溶け込んでいくことができ
ました。

もちろん簡単な道ではありませんでした。でも、どこでも方針を徹底させたこと、そ
のやり方は間違ってはいなかったと確信しています。

自分だけでは、考えが間違っていても気づけません。まずは一人一人について、担任
の先生とご相談されることをお勧めします。

かってなことを書きました。お許しください。

「雅」より
(了)
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【4】編集人ひとこと
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僕は「不登校」は問題だとは思っていません。
この点では雅さんと少し異なります。
しかし、教室にやってこない受け持ちの子どもを気遣い、心配してくれる
先生の気持ちは、とても暖かいものだと思います。
家族のように、子ども達を見つめてくれる先生方の存在は大きいです。
まさしく「先を生む」という本当の「先生」だと思います。
ありがとうございました。



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