━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】【ゲストさんコラムその29】------2000/12/13------
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・皆さんからいただいた教育に関するコラムです。
・教育の複眼づくりにご協力下さい。
・みんなで教育コラムの輪をつくりましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■本日のゲストさんは、[K]さん(中学校の先生)です。
 教育における役割について、現場からの実践・考えを寄稿してくれました。
 なお同じテーマで[M]さんが11/15に学生時代の体験から寄稿してくれています。
 そのご意見に関連しながらのコラムです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【タイトル】教育における役割について-教育現場の体験から-
【テーマ】生徒理解の統一が必要
【寄稿者】[K]さん(中学校の先生)
----------------------------------------------------------
■関連コラム「教育における役割-学生時代の体験から- by[M]さん」
(ゲストさんコラム22)
 http://www.yukichi.ne.jp/~deko/colums/guest22.htm
----------------------------------------------------------
「教育における役割について」

全く同感です。人はすぐ何かに当たるときに「一枚岩で」とか「みんな同じ気持ち
で」とかいいます。また大変なことに当たるときは「みんな同じ荷物を背負って」と
いいます。私が今在職している学校は13年前に赴任した時には市内でも最も荒れた
学校で、校舎の中をバイクが駆け抜けたり、廊下で爆竹、校庭に向かって窓から花
火、一時に30枚ものガラスが割れたときもしばしば。教師も毎年誰か一人は生徒に
殴られたり蹴られたりして怪我をしていました。そのときに校長が良く言っていた言
葉が「一枚岩で」と「みんな同じ荷物を背負って」でした。要するにみんなが同じ指
導法で同じことをしようというのです。
 でもこれは無理があり実際には出来ません。なぜなら教師も一人一人個性があり考
え方も年齢も経験も得意不得意もいろいろ違うのです。考え方を近づけることはでき
ますが、それでも同じには出来ません。なのに同じ行動を強制するのです。ですから
皆ムリをする。だから生徒にたいする対応にもムリがでる。その結果は火に油を注ぐ
ようなもの。・・・・実際にこのときは生徒に対する対応・生徒理解に二つの異なる
傾向がありました。一つは生徒はどうしようもないのだから暴力で抑えつけるという
もの。他の一つは生徒の力を信じ、学校の行事や授業や運営を生徒主体のものにする
というもの。これだけ正反対の意見があるのですから生徒理解の統一すらできませ
ん。
 たたかいは徐々に「生徒主体派」が勝って行き、少しずつ学校が落ち着きを取り戻
しはじめたころ、校長が変わりました。その校長の口癖。「教師は一人一人が違うの
だからそれぞれ自分にあった方法で生徒に接しよう。そして自分が良いと思ったこと
はドンドン実行しよう。でも困ったときは一人で抱えないでドンドンまわりに相談し
よう」でした。とても気が楽になりました。・・・そして学校がとても活気にあふれ
たものになったころまた校長が変わりました。その校長が開口一番言ったこと。「同
じ荷物を背負ってと良く言うが、一人一人は力も教育力も持ち味も皆違う。同じ荷物
なんか背負えるわけがない。それぞれのやり方でそれぞれの出きる範囲で生徒に関わ
ろう。基本は生徒こそ主人公。」。これにはビックリしました。でも嬉しかった。そ
の通りです。それぞれが出きる事をやり御互いが役割を分担し合って動けば良いので
す。大事な事は生徒に接する時のもののみかた。ここさえ統一できればあとはそれぞ
れです。・・・・・でもここの統一がけっこう難しいのです。・・・今年来た教頭が
言っていました。「生徒一人一人には背景がある。育ってきた10何年間かの歴史が
ある。それをもっと知らなければ生徒には接する事ができない。知って何ができると
いうものではないが、彼らの言動に納得はできる。それが生徒理解の第1歩だ」と。
この立場が統一されているかぎり、教師はそれぞれの持ち味をいかして役割分担を
し、連携プレーができるのですが。

(了)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】編集人ひとこと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まぶたが震えることがありました。
知り合いの整体の先生に相談したら、「そりゃ、パソコンに向かいすぎや。」
と言われました。
ついつい熱中してしまう時があるんですね。
みなさんも、そんなことがないですか?



ご意見ご批判は今すぐメールで送って下さい。
たくさんのご意見が「教育の複眼」を作ってくれると思います。
あなたのご意見はメールマガジンやHP・その他の媒体にてご紹介させていただく場合がございます。
全て匿名(またはペンネーム)で掲載させてもらいます。
【例】:すもも(32才)主婦
もし、掲載しては困る場合がありましたら、「掲載不可」と明記下さい。
それ以外は掲載合意とさせていただきます。

ホームへ       語句別索引へcounter