教育長の不祥事(1)

 地方教育行政のトップは、少し微妙ですが「教育長」です。
「少し微妙」というのは、次のような理由によります。
 「教育長」は法律上は「教育委員会の指揮監督下」に置かれています。
ところが教育長には「教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる。」権利があります。
そして教育委員は非常勤なのに対し、教育長は常勤なのです。
 やはり、実質上のトップは教育長ですよね。

 その教育長の不祥事が相次いでいます。

 どこの地方でも教職員の異動が毎年行われますよね。
いわゆる「○○先生は■■小学校へ転任となります。」というものです。
その異動を決定する作業が教育長を中心に行われます。
当然、何回も話し合いをしますから会場費などお金がかかります。
つまり予算が絡んでくるんです。

 徳島県板野郡でも7人の町教育長が話し合っていました。
幸い何回かの話し合いの末、異動も決定しました。
そこで終わっておけば何の問題もなかったのですが、何と予算が余ってしまったのです。
 うーん立派な教育長さんですよね。町民の税金を少しでも浮かす節約です。

 ところがです。この7人は何とその余ったお金(約25万円)を分けて頂いちゃったのです。
それが発覚し弁明に努めます。
簡単に庶民的な言葉で言うとこんなことでした。
「だって、話し合いの時にいろんなことで自分の財布からお金出したんだもん。」
「だから、返してもらうつもりで、いただいたんだもん。なんか悪い?」
そして、追求が厳しくなるとお金を返しました。
返すよ、返せばいいんでしょ。
「だけど絶対悪いことはしてないからね。」
「ただ領収証がなかっただけのことだからね。」

 このセリフ、何だか「万引き」が補導された時を思い起こさせます。
「返すよ、返せばいいんでしょ。」

 残念ながら僕たちは教育委員も教育長も選ぶことが出来ません。
教育委員は知事や市長が議会の同意で任命します。
教育長はその教育委員会が任命するのです。

 やはり僕たち住民は教育委員会や教育長を自分たちの手で選出すべきです。
教育委員の公選は、ひいては教育委員、教育長の責任と自覚を促せるはずです。
 (次回に続きます



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