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■「ピンストライプ模様(1)」-2000/07/12-
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「ピンストライプのユニフォームが着たいんです。」

野球の本場アメリカで自身の力を試したいと太平洋を渡る決意をした彼が言いました。
テレビカメラの前で少し緊張したおももちで語っていた彼、、、。
彼は「伊良部」選手、日本のプロ野球界で大活躍している投手でした。
そして、ピンストライプのユニフォームとは「ヤンキース」という大リーグ(アメリ
カのプロ野球)のチームのユニフォームの模様なのです。

その場にいた記者がいろいろと質問しました。
「別に、そんなにヤンキースにこだわらなくたっていいんじゃないですか?」
「本場で力を試すのなら、他のチームでもいいでしょう。」

実は伊良部投手、所属する日本の球団ともめていたのです。
日本の球団は「ヤンキース」以外の球団との交渉をし、渡米の話を進めていたらしい
のです。
つまり、彼が「ヤンキース」を希望すればするだけ、話はこじれてくるわけです。
だからこそ、記者達は「他のチームでもいいのでは?」と聞いたのですね。
当時の報道姿勢はどちらかというと「伊良部選手はわがままだ」という感じでした。

「いいえ、僕はヤンキースに入団したいんです。」
と彼は憮然とした表情で言いました。

そして、自分が幼かった頃からのヤンキースに対する思いを語りました。
ヤンキースで活躍した名選手、そういう選手を生んだチームの雰囲気、、。

「ヤンキースは、そのような歴史と伝統のあるあこがれのチームです。
 僕は『ピンストライプのユニフォーム』に袖を通すこと以外考えられません。」

そう言うと彼はインタビューをうち切りました。
記者達は「もっと聞かせてほしい」と継続を求めました。
しかし、彼は怒ったような硬い表情で席を立ちました。

これで、彼がさらに球団ともめるのは必至の情勢になってきました。

そして、報道はさらに「伊良部選手のわがままぶり」を強調するようになっていきま
した。
伊良部選手の裏で糸をあやつる人間がいる可能性、監督との確執、協調性の欠如、、。
様々な報道がされていったのです。
その報道の真偽のほどはわかりません。

「こりゃあ大変なことになったなあ。」
当時も今もプロ野球のファンである僕はそう思いました。

と同時に「ピンストライプのユニフォーム」という言葉がやけに印象的だったのです。
それは教員経験者である僕に大きく欠けていたことを教えてくれたからです。

いえ、よく考えれば、保護者としての今の僕にも欠けているものかもしれません。

その2に続きます)
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