今回は、社会が背縮みをしているのではないか、という例を目にしたのです。
僕が目にしたもの、それは1枚のポスターでした。
ある自治体が関係しているイベントのポスターだったのです。
そのイベントは「森林に親しみましょう、自然を大切にしましょう。」というテーマ
でのものでした。
具体的には自然公園での親子の散策会、自然スケッチ、親子でクイズなどの活動が組
まれていました。
企画する人たちの大きな関心事の一つに、参加人数があることはやむを得ません。
だから、いろんな活動を組んで、参加意欲をさそうということは当然の事だと思いま
す。
多くの人にとって関心のありそうな活動、これを真剣に考えているはずです。
そして、ポスターにその目玉となるものを大きく打ち出しますよね。
では、このポスターに目玉として掲載されていたものは何か・・。
ポスターの真ん中に目立つように書かれていたものは、実は活動ではありませんでし
た。
人々の関心を集め、参加者を増やせる、と主催者が考えたもの・・。
それは、クイズの賞品だったのです。
ポスターの「へその部分」を飾った言葉。
それは「プレイステーション2があたる!」という言葉だったのです。
「プレイステーション」というのは、あるテレビゲーム機のことです。
そして、僕の隣でポスターを見ていた子ども達は、こう言っていました。
「お!すげえ、プレステ2が当たるんや。」
「森林・自然」ということがテーマであるはずの活動。
そこにゲーム機がでてくるのは、明らかに、奇妙です。
いったい、どこがどう結びつくのか、、。
そして、その奇妙さが、子ども達に受けてしまう。
また、だからこそ、奇妙さに鈍感な社会がでてくるのでしょう。
これは、迎合をはるかに超越した「奇妙な社会の背縮み」だと思います。
親が子どもに対して行う背縮みは悲しいけれど、愛情があります。
社会が子どもに対して行う背縮みに、愛情が感じられますか?
真剣に企画された担当者の方をせめているのではありません。
そのような企画をせざるを得なかった背景も大変なご苦労があったのでしょう。
しかし、僕らは、こんな社会だからこそ、より考えねばなりません。
この企画は、子ども達をどこにつれていこうと思っているのでしょうか。
そんな企画を生み出してしまう「僕らの内にある背縮み」は、子ども達に
どんな社会を見せようとしているのでしょうか。
(了)
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■お願い
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あるPTA会長さんからメールが寄せられました。
その方の住む市は近隣の市との合併することになりそうなのだそうです。
しかし、その合併の前に、市P連の合併が事後承諾に近い形で報告されたのだ
そうです。
このようなPTAの組織活動に教育委員会などの行政の介入があるのかどうか。
また、合併によってさらに大きくなるということは組織にとっていいのか。
そのような不安と疑問のメールでした。
どなたか、合併問題とPTA活動の関連の経験をお持ちの方はいらっしゃいま
せんか?
もし、いらっしゃれば、僕にメールを頂きたいのです。
この問題は現在はまだ特異なケースかもしれません。
しかし、自治体の合併が大きく取り沙汰されつつあるこの頃です。
いずれ、僕たち自身の問題になってくることは間違いないと思います。