先生はこう言いました。
「B子ちゃんには、少しずつ話をしていくからね。」
そして、お母さんにはこのように話したそうです。
「実は、B子ちゃんの家庭には少し問題があるのです。
詳しいことは言えませんが・・。
それで、B子ちゃんへの指導は簡単にはいきません。
殴る蹴るは必ずやめさせますが、無視をしたりとか意地悪をいっ
たりなどの精神的な暴力は続くかも知れませんが気長に見てくだ
さい。」
この先生は正直に話してくれたのだと思います。
けれども、こう言われてもA子ちゃんは安心とはほど遠い状態になっ
たようです。
また、A子ちゃんだけでなく、お母さんも学校生活での不安を覚え
るようになります。
とにかく、その後も学校に通い続けたA子ちゃん。
先生が席替えをしてくれたお陰もあってB子ちゃんからの暴力はなく
なりました。
けれども・・。
非常に残念なことに、先生の「予言」はある意味で当たってしまいます。
B子ちゃんは、新しく隣の席になったC子ちゃんに意地悪を始めたのです。
それを見続けていたA子ちゃんは悩みます。
「C子ちゃんは自分の身代わりに意地悪されている。」
そして、それをとめることができない自分と、先生に対して漠然とした
淡い嫌悪感を抱くようになっていったのです。
(つづく)