繰り返しになりますが、それは「学校」を否定する言葉ではありま
せん。
学校と共存するのか、学校に依存するのか、ということなのです。
学校は勉強を教えてくれます。
けれど、なぜ勉強をしなければいけないのかという質問には答えて
くれません。
社会は、すべての子が学校に行けるように配慮してくれます。
けれど、なぜ、学校に行かねばならないのかという質問には答えて
くれません。
なぜ、答えてくれないのか。
それは、答えがないからだと、僕は思うんです。
そして、その「答えがない」という現実を、僕たち大人は受け止め
なければならないと思います。
しなければいけない勉強なんてない。
けれど、したい勉強はあるかもしれない。
行かなければいけない学校なんてない。
けれど、行きたくなるような学校はあるかもしれない。
これが、真実だと思うんです。
中学3年生のある女の子の声を聞いて下さい。
頂いたメールの部分的な引用です。
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私は、学校が嫌いです。
なんのために学校に行くのか私にはわかりません。
両親は「せめて高校までは行かないと将来お前が苦しむ。」と言い
ます。
私が、「私に決めさせて」と言うと、
「そんなことは経済的にも社会的にも自立してから言うものだ。」
と言います。
先生に「なぜ学校に行かなければいけないのですか。」と聞くと
「その答えは自分で見つけるものだ。」と言いました。
「では、先生は、答えを見つけましたか?」と聞きたくなりました。
校長先生は
「学校に行きたくても行けない子ども達が世界中には数え切れない
くらいいる。
君たちは学校に行けることが当たり前だと思っているでしょう。
けれど、それはとても恵まれたことなのです。」と言います。
嫌でたまらない学校に行かされることが恵まれたこととは思いませ
ん。
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「では、先生は答えを見つけましたか?」・・・。
この問いは、僕ら保護者にも同じように投げかけられているのです。
学校は、たくさんの熱心な先生が支えるすぐれた教育機関だと思い
ます。
そして、これからも進化していくでしょう。
しかし、すべての子どもにふさわしい教育機関なんて存在しないの
です。
「学校に行きたいのに行けない。」
と子どもが言ったら、それは、大人が責任を持って解決、あるいは
解決の手伝いをしなければいけない問題だと思います。
しかし、「私は学校に行きたくない。」と子どもが主張したなら・・。
それは、その子に問題があるのではけっしてない。
学校が悪いのでもない。
社会が悪いのでもない。
家庭が悪いのでもない。
実はその子にとってごく自然なことなのかもしれません。
「家庭教育・独立宣言」。
僕はこのメールマガジンの最後に、次のメールをご紹介します。
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はじめまして、僕は中学3年です。
僕は別に勉強が好きなわけではありません。
でも、学校には楽しいことがたくさんあります。
それと同じくらい嫌なこともたくさんあります。
けれど、大人になったら世の中の役に立つ人間になりたいと思って、
嫌なことを我慢して登校しています。
好きではない勉強もしています。
僕の友だちもみんな同じだと言っています。
だから、不登校をする人は逃げている人だと思っていました。
なぜ、立ち向かわないんだろう、そんなのは卑怯だと思っていまし
た。
一人前の人間になれないだろうと思っていました。
けれど、はいつさんのメルマガを読んでいて、気持ちが変わってき
ました。
うまく言えないけれど、不登校をしながら、立ち向かっている人も
いるんだな
とわかりました。
はいつさんのメルマガを教えてくれたのは僕の母です。
僕の母は、はいつさんのメルマガが大好きです。
これはお世辞ではありません。
僕は最初、母がなぜはいつさんのメルマガをすすめてくれたのかよ
くわかりませんでした。
でも、今はわかりました。
僕が不登校の人は弱虫だと言ったからだと思います。
僕は学校をやめるつもりはありません。
でも、学校に来ない人を卑怯者だと思うのは間違いだったと思いま
す。
学校に行く人と行かない人がどちらもがんばれる世の中ができたら
いいなと思います。
これからもメルマガがんばって下さい。
さようなら。
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「学校に行く人と行かない人がどちらもがんばれる世の中ができた
らいいな。」
この少年の言葉は僕にとって忘れ得ぬ言葉です。
長らく、おつき合いいただいて、本当にありがとうございました。
これでDaily教育コラム第2部「家庭教育・独立宣言」は終了です。
バックナンバーはHPに保存していますので、もし、よろしければ今
後ともご意見など、よろしくお願いします。
次回からは第3部「ごはんのおかず」を発信します。
家族の食卓やクラスでのお弁当時にちょっとした話題になったこと・・。
それは、まさに「ごはんのおかず」です。
みんなで紹介しあってみませんか?
よろしかったら、またおつき合い下さい。