その1で学校の安全への配慮を知る手がかりとして「登校時刻と勤務開始時刻」について述べました。
その他の手がかりとしては、「遊具や体操器具に対する点検」があります。
例えば、多くの小学校にはブランコがあります。
その鎖部分の腐食はないでしょうか。
支柱は大丈夫でしょうか。
腐食を防ぐためのペンキはきちんと塗られていますか。
ネジははずれていませんか。
PTA参観日などで学校へ行ったとき一度見てみるといいと思います。
同様に鉄棒、すべり台など一歩間違えれば大きな事故になる物がたくさんあります。
そういう物への配慮ができている学校は、安全への関心が高い学校です。
しかし、これはなかなか簡単にはいかないのです。
僕が経験したある学校では毎月一度「安全点検日」を設定し、全教職員で点検をして回りました。
塗装のはげた器具は職員作業でペンキを塗ったものです。
他の学校では月に一度の点検ということはなかったですね、もっと少なかったです。
だから僕が体験した中では最高に安全に配慮した校長がいた学校ということになります。
実はこの点検ですが大きな問題点があるんです。
それは教員が器具に対して専門家でないことなんです。
だから、器具を観察しても危険度がなかなか認知できないんです。
逆に全く危険でない状態を危険と取ってしまう場合もあります。
しかし、これほど安全に配慮する学校でも器具の専門家を招いて点検したことがないのです。
その理由は簡単です。
結局、そんな予算がついていないのです。
これは絶対におかしいですよ。
下手をすれば命に関わる器具の点検を素人の教員がやってるんですよ。
保護者として任せられますか?
自宅に「ガスの点検に来ました、でも私は専門家じゃないんですよ。」
なんて点検員さんが来たら怒りますよね。
それと似たようなことを学校はしているんです。
また、そんな責任を負わされている先生方も負担が大きいはずです。
登校時刻といい、器具の安全点検といい、学校の安全への配慮は行き届いていないといわざるを得ません。
とにかくシステムとしての安全を確立すること、これは教育以前の問題です。
それは教育委員会がもっともっと考えるべきことなのです。
教育委員会の怠慢と言えるのです。
もちろん現在きちんとやっている委員会もあるかも知れません。
ならば、その経過、結果を保護者に連絡すべきですよね。
そして、さらに登下校時の安全を熟考しなければなりません。
現在の公立の小中学校の安全対策はほとんどゼロですよね。
しかし、一番危険度が高いのも登下校時です。
この点、保育園などはしっかり考えていますよね。
けれど、危ないのは小中高も同じです、いや、さらに危険かも知れません。
次号では、僕の経験もふまえながら「登下校中の安全」について発信します。
次号は2000年の1月6日が発信日となります。
本年はどうもありがとうございました。
ご意見、ご感想、引き続きよろしくお願いします。